さて、ベルリンの交通パスを手に入れたぷくお。仕事の合間を縫って早速観光に出かけます。
まず目指したのはベルリンの壁に阻まれた歴史を持つブランデンブルク門やチェックポイントチャーリー周辺。
ブランデンブルク門
まずやってきたのはブランデンブルク門。こちらはベルリンのシンボルとされている門で、もともとは税関壁だったところ。1791年に竣工し、ベルリンの正門とも言える場所にある門となります。
門の上に乗っているのは彫刻家ヨハン・ゴットフリート・シャドウ氏が製作した四頭立ての馬車に乗った勝利の女神ヴィクトリアの像。こちらはナポレオンがベルリンを征服した際フランスへ戦利品として持ち去られたものの、その後のナポレオン戦争によりプロイセン軍がパリを占拠すると再びベルリンの上に戻されたという歴史を持っています。
門はアテネのアクロポリスの入り口にあったプロピュライアの門を模していて、当時ドーリア式円柱だけが残っていたプロピュライアの創建時の姿を想像して再現したそう。立派な門ですが、パリの凱旋門のように上に登れないのが残念ですね。
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑
ブランデンブルク門のすぐ近くにあるのが「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑(通称:ホロコースト記念碑)」。
こちらは2005年に開設されたホロコーストで殺されたユダヤ人犠牲者のための記念碑となっていて、コンクリート製の石碑2,711基が立ち並びます。奥行き0.95m、横幅2.38m、高さは0〜約4.5mの様々な大きさのブロックが、うねりのある土地に並んでいる様は圧巻。
建設に向けては、誰を対象とするのかといった激しい論争があったばかりか、工事に関わっていた会社がナチス時代に強制収容所で使用された毒ガス(現在は農薬として使用)の製造会社の姉妹会社であることが判明するといったこともあったそう。様々なことを感じさせる記念碑でした。
ソニーセンター
ホロコースト記念碑から少し南下したポツダム広場近くにあるのがソニーセンター。こちらはソニーのヨーロッパの拠点となる複合商業施設で、現代ベルリンの象徴の一つ。なのですが、実はすでに韓国企業に売却されているそうで、現在は施設の一角にソニーストアがあるのみ。ベルリンへの直行便がないことも遠因かもしれませんが、日本のプレゼンスがどんどん弱まっているのが感じられて寂しいところ。
https://goo.gl/maps/qjZY4Es5ZdKN1xoK8
トポグラフィー・オブ・テラー(ベルリンの壁)
トポグラフィー・オブ・テラー博物館はナチス軍自体に焦点を当てたベルリンで唯一の博物館。ですが、今回は時間がなかったので博物館へは入らず。
では何をしに行ったのかというと「ベルリンの壁」を見に行ってきました。全長155kmあった壁も現在では3箇所しか残っておらず、こちらがその1つ。ベルリンの壁は高さ約3mの壁が二重に作られていたのですが、この場所はその2枚の間隔が狭く設置されていた場所(写真右奥の建物の手前にもう一枚建設されていた)。
そんなトポグラフィー・オブ・テラーですが、ナチス時代の秘密警察ゲシュタポがあった場所でかつベルリンの壁が残っている場所ということで、最近勢力を強めているネオナチも聖地になりかねないという危惧から壁のそばに掲げられている写真からヒトラーの写真は撤去されたそう。ここもまたいろんなことを考えさせられる場所となっています。
チェックポイントチャーリー、チェックポイントチャーリー・ハウス
さて、そんなベルリンの壁は何箇所か東西国境の検問所が設けられていました。そのうちの一つがアメリカ側の検問所「チェックポイントチャーリー」。検問所はA、B、Cなどがあったものの、様々な言語の人がいるなかで言い間違えが発生しないよう、Aならアルファ、BならブラヴォーといったようにNATOフォネティックコードから取られた名前で、C=チャーリーとなります。
今ではマクドナルドやお土産屋に囲まれていますが、この検問所と壁があったなんて信じられません。
検問所の近くには兵士の写真が掲げられ、アメリカ側から見るとソビエト兵が、またソビエト側から見るとアメリカ兵が写っています。また、この近くには壁があった場所にレンガが埋め込まれ、壁の存在感を静かにアピールしています。
チェックポイントチャーリー・ハウス
このチェックポイントチャーリーのすぐ近くにあるのが私設博物館「チェックポイントチャーリー・ハウス(壁博物館)」。
入場料は大人14.5€、学生9.5€、7-18歳7.5€、6歳以下無料。また写真撮影は5€となっています。
中には膨大な資料が展示されていますが、脱出に使われた車(エンジンがリアにあるビートルで、前方トランクの隙間に隠れていた)や、
トランクを2つ連結し、その仕切りをカットして隠れていたり、
先ほどの幅の狭い場所で滑車を使って亡命した人々の記録と実際に使われた道具が展示されていました。
他にも気球を作って逃げたり、トンネルを掘って逃げたりするなど、ある日突然「壁」によって通行ができなくなった人々の悲劇の記録が残っていてとても良かったです。
そんな良かったチェックポイントチャーリーおよび壁博物館ですが、ベルリンでは珍しくスリがたくさんいたので要注意。
といってもイタリアやスペインほど怖いものではありませんが、手口としては署名・募金を呼びかける人がいて、財布をしまった場所を確認した別の仲間がすっと抜き取るというもの。
チェックポイントチャーリー付近には同じような人がたくさんいたので、声をかけてくる人は下心がある人。ということを肝に命じておく必要がありますね。
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