MacBook Pro 2021 14inchモデルのディスプレイをAdobe RGB対応ディスプレイと比較してみた。

測色計で計測したところ、およそ広色域ディスプレイとは思えない数値を叩き出したMacBook Pro 2021年14インチモデル。

MacBook Pro 2021 14インチのディスプレイは本当に広色域対応? 測色計で計測してみました。

果たして実際に写真を表示したときにどの程度のものなのか、ぷくおが大事に(たま〜に)使用しているAdobe RGB対応ディスプレイ「NEC MultiSync LCD2690WUXi2(以下LCD2690)」と比較してみました。

事前準備

比較を行うために、まずはディスプレイのキャリブレーションを行います。比較対象となるMacBook Proの写真表示モードは「P3-D65」。

ですので、LCD2690を専用のキャリブレーションソフトウェアとColorMunkiを使い、D65の色温度で調整を行います。

30分ほど画面を点灯して画面が安定してからキャリブレーション実施。

調整後の結果がこちら。Adobe RGBの黄色の三角に比べて若干緑色が弱いですが、逆に赤系は強い感じにキャリブレーション終了。ちなみに輝度は写真編集で一般的な80〜120cdより少し明るめの140cdとしました(標準設定のまま)。

いよいよ比較

LCD2690は旧MacBook Pro(キャリブレーションを実施したPC)から表示します。写真は全て上がLCD2690。下がMacBook Pro 2021年モデル 14インチとなります。また、撮影を行なったカメラはSONYのα7Ⅲで、Pモードで撮影。ですので下の方でMacBook Proのプロファイルを変更して画面輝度を変更していますが、他の写真との比較には適さないことをご了承ください(あくまで1枚の写真内での比較)。

表示した写真はα7ⅢまたはRX100Ⅲで、どちらもAdobe RGBモードで撮影した画像となります。

D65モードでの比較

まずはサグラダ・ファミリアの教会内の写真から。ステンドグラスに差し込む強烈な光の表現を見てみます。同じD65設定のはずなのに、MacBook Pro2021モデルの色温度が高いのが気になります。ただし目視ですともっと差は小さくて、カメラで撮影してその違いに驚きました。色温度は調整可能ですから脇に置いておいて、ステンドグラスの青・緑・赤の色の濃さを見ると、MacBook Pro2021がかなり善戦していることに気付かされます。

こちらも教会内の違う場所ですが、青の具合が綺麗ですね。

青といえばキーックリ。西日に映えるキーックリの色合いですが、こちらは目視だと違いが分からない程でした。胴体の青。くちばしの緑。尾っぽの2食ともかなりいい具合ではないでしょうか。

ワインを透かした赤色もこんな状態。カメラのシャッタースピードとLCD2690のリフレッシュレートが若干干渉してしまっていますが、ボトルの赤色の具合はどうでしょうか?

芝生の緑はこんな具合。肉眼だとほぼ一緒なのですが、やはりカメラで撮影すると差が大きく映ります。

これもまたLCD2690のリフレッシュレートが干渉していますが、赤系の発色もあまり差がないように見受けられます。

以上、サンプル数は少ないですがいかがでしたでしょうか? 何度も書いた通り、肉眼で見ると差は小さく、あの計測した結果はなんだったんだろう?という思いです。

sRGBモードで比較

続いて、両方のディスプレイをsRGBモードにしたのがこちら。当然色空間が狭くなるので鮮やかさが減少しますが、どちらもこんな感じかなという具合。

MacBook Proを最大輝度モードで比較

続いて、LCD2690をAdobe RGBでキャリブレーション(140cd)したものと、最大輝度幅で設定したMacBook Pro2021を比較してみます。

こちらは当然ですがより太陽光の煌めきが感じられ、Adobe RGBでただ撮影しただけの非HDR画像ですがまるでその場にいるような雰囲気が味わえますね。

感想

一時は返品を考えていたMacBook Pro。ですが今回実際に個人的なリファレンスモニタと比較してみて、かなり使える手応えを感じました。

残念ながらi1 Studioで作成したiccプロファイルは読み込むことができませんでしたが、システム環境設定内には色々と設定できそうな項目があるので、気になっていた色温度も修正可能に思えます。

今回のMacBook Proで採用されたミニLEDディスプレイですが、IT系のメディアによるとHDR動画を編集するFinal Cut Pro Xでは、作業画面内の映像プレビュー部分だけがHDR表示になるなど、かなり今までのディスプレイとは挙動が異なる様子です。

約58万円〜のPro Display XDRでは、本当にプロ向けの高価なマルチ分光放射輝度計で再キャリブレーションが可能になっています。

これと同じようにMacBook Proのディスプレイも再キャリブレーションすることが可能なようですが、この辺りは専用の機材が必要なのでなかなかレビューすることは難しそうですね。

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