iPadOS 26の進化が凄い!iPadのデスクトップ化で変わるAppleエコシステム

まず、なぜ私がiPhoneの外部ディスプレイ接続に興味を持つのか、まず理想とする使い方をお話しします。

現在、私は通勤時にはiPhone(結局、iPad miniも周囲の目が気になるのと文字入力がiPhoneよりやりにくいということで、通勤中はあまり出番がありません)。自宅ではMacbook Proと必要に応じてキャリブレーション済みディスプレイを接続しています。

当然ですがiPhone, iPad, Macbookという3つのデバイスが必要です。

もし高性能なiPhone一台で、通勤中はスマホ利用、家では据え置きディスプレイでの本格作業、旅行・出張先では持参したモバイルディスプレイでの写真・動画編集やブログ執筆といったワークフローが完結すれば、iPadという中間的なデバイスや(作業によりますが)Macといったデバイスを所有する必要性は大幅に減るのではないでしょうか。

まもなくiPhoneの発表時期を迎えますが、個人的にはそれ以上に今年のiPadOS 26の進化に興奮しています。先日公開されたパブリックベータ版を実際に触ってみて、これまでとは次元の違う体験に驚かされました。そして、この進化がiPhoneにも波及する可能性を強く感じています。

iPadOS 26でついにiPadが理想的なデスクトップデバイスに

5月のWWDCで発表された今秋正式リリース予定のiOS系OSの中で、個人的に最も注目している変化が以下の2点です。

  1. リキッドグラスという統一された美しい見た目
  2. iPadOSにこれまで以上のウィンドウ配置の自由さが追加され、本格的なパソコンライクな使い方が実現

特に②の機能は前からあったらいいなと思っていましたが、実際に操作できるようになると革命的です。パブリックベータ版をインストールしていますが、iPadがついに「真のノートPC代替」になりつつあると感じました(幸い不具合には遭遇せず、改善点だけフィードバックしました)。

革命的なマルチタスク機能の数々

今回のiPadOS 26では、従来のSplit ViewやSlide Over、そしてM系チップ搭載iPadで利用可能なステージマネージャーとはまったく異なる、本格的なウィンドウシステムが導入されました。

注目の新機能

  • 自由なウィンドウリサイズ:アプリウィンドウの四隅や辺をドラッグして、まさにMacのように好きなサイズに調整可能
  • フローティングウィンドウ:複数のアプリを重ねて配置でき、最前面に持ってくることも自在
  • 待望のメニューバー:ついにiPadにもメニューバーが登場し、アプリの切り替えやシステム設定へのアクセスが格段に向上
  • Exposé機能:開いているすべてのウィンドウを一覧表示し、直感的に切り替え可能
  • 真のバックグラウンドタスク:動画の書き出しや大容量ファイルの同期など、重い作業を裏で実行しながら他のアプリを快適に操作
  • マルチディスプレイ対応強化:外部ディスプレイとの連携がさらにスムーズになり、デュアルディスプレイ環境での作業効率が大幅向上

これらの機能により、iPadで複数アプリや同アプリ内複数ウィンドウを同時に立ち上げ、操作することが可能に。

実際に使ってみた感想

パブリックベータを数週間使い込んでみて、特に仕事での活用範囲が飛躍的に広がったと実感しています。個人的には、「ZoomでWeb会議をしながら、ExcelやPowerPointで資料を並行して確認し、メモ帳を開いて会議のポイントをメモ」といった使い方が一番進化を実感できますが、次のような活用も考えられます:

  • Safariで複数のタブを別ウィンドウで開きながら、Notesアプリで記事を書き、Photoshopで画像編集を同時進行
  • 動画編集の書き出し中に、別のアプリでSNS投稿やメール返信を滞りなく実行

今のところメモリ不足が原因と思われるアプリの停止といった現象は起きていませんが、PhotoshopやSafariといったメモリを多く使うアプリを複数立ち上げた時は少し不安です。ヘビーユーザーにとっては、このあたりが上位のiPadを選ぶ理由になりそうです。

まだ改善してほしい点

とはいえ、完璧ではありません。個人的に今後のアップデートで期待したい機能は次の4点。

  • マルチユーザー対応(業務向けiPadでは既に実現しているそうですが、コンシューマー版でも欲しい)
  • USB直結プリント機能(AirPrintだけでなく、より多様なプリンターとの直接接続)
  • サードパーティIME対応強化(ATOKなど外部日本語入力ソフトでの外付けキーボード対応改善)
  • アプリ側のマルチウィンドウ対応

特にアプリ側の対応については、MicrosoftのOneDriveアプリのように、そもそも複数ウィンドウでの起動を想定していないアプリも多く、開発者側の対応をお願いしたいところです。

もっとも、OneDriveアプリについてはOS標準の「ファイル」アプリや、有料アプリの「FileBrowser」が代替として有力だと思っています。このFileBrowserアプリは既にマルチウィンドウ対応済みで、OneDrive、SharePoint、GoogleDriveすべてに対応しつつ、さらにショートカットやタブなど高機能でファイルアプリよりも快適に操作ができおすすめです。

▲ iPadOS 26で導入されたメニューバー

また、新しく導入されたメニューバーの活用も、今後のアップデートでさらなる進化を期待したいポイント。

これからのAppleエコシステムへの期待

iPhoneでのiPadOS体験は実現するか?

iPadOS 26の劇的な進化を目の当たりにして、強く期待するのがiPhoneを外部ディスプレイに接続した時のiPadOS化です。

現在のiPhoneは外部ディスプレイに接続してもミラーリング(しかもiPhone側のアスペクト比での表示)が基本ですが、iPadOS 26のマルチウィンドウ機能がiPhoneでも利用できれば、

  • デスクトップモードで複数のアプリを同時表示
  • メニューバーによる本格的なPC操作感
  • ファイル管理の大幅な向上
  • 真の意味での「ポケットPC」の実現

これらが可能になるでしょう。もともとiPadはiOSから派生したOSを搭載していたため、技術的な統合は決して不可能ではないはずです。

むしろ、スマートフォンとして使用している時は従来のiOS、外部ディスプレイに接続した時にiPadOS的な使用感に切り替わるという、デバイスの使用状況に応じた柔軟なOS体験こそが、Appleらしい解決策ですし、豊富なiPadとiPhone向けに最適化されたアプリ群がリリースされているというのがAndroid勢に対する優位ではないでしょうか。

折りたたみiPhoneでのマルチタスク体験

そして、2026年秋に登場が噂される折りたたみiPhoneでは、iPadOS 26で実現されたマルチタスク機能がそのまま活用できる可能性があります。

最新の噂では、外側に5.5インチのディスプレイ、内側には展開時に7.8インチのディスプレイが備わるとのことですので、折りたたみ画面を閉じた状態では今までのiPhone同様の操作性を保ちつつ、画面を展開した時にはiPad miniに近い使い勝手が実現するでしょう。

One Device, Multiple Modesの真の実現

折りたたみiPhoneの最大の魅力は、一台で複数のデバイス体験を提供できる可能性が高いことです:

  • 閉じた状態:通常のiPhoneサイズで携帯性抜群、片手操作とフリック入力に最適
  • 開いた状態:7.8インチの大画面でiPadOSのマルチウィンドウ機能をフル活用
  • 外部ディスプレイ接続時:デスクトップモードでPC的な作業環境を構築

上記の操作イメージはあくまで希望ですが、もしこれが実現すれば、通勤時はスマホサイズで快適に、自宅では大型ディスプレイでデスクトップ作業、旅行先ではモバイルディスプレイと組み合わせることで快適に撮影した写真・動画の編集やブログ作成といった、理想的なワークフローが一台で完結します(もっとも外付けディスプレイ時の挙動さえ開放してくれれば折りたたみでないiPhoneで良いわけですが)。

マルチタスク機能の進化

折りたたみiPhoneでは、iOS 27で折りたたみデバイス向けに最適化された新機能が搭載される見込みです。BloombergのMark Gurman氏によると、AppleはiOS 27の開発で折りたたみiPhone向けの機能を優先的に開発すると報告されています。

具体的な機能の詳細はまだ明らかになっていませんが、7.8インチの大画面を活かしたマルチタスク機能や、折りたたみという新しい形状に最適化されたUI体験が期待されます。

さらに、4:3のアスペクト比(予想)により、既存のiPadアプリがそのまま最適化されて動作する可能性が高く、アプリ開発者にとってもユーザーにとっても移行しやすい環境が整うと予想されます。

iPadラインナップへの影響

折りたたみiPhoneが登場すれば、Appleのデバイス戦略全体に影響を与える可能性があります。価格面を考慮すると次のような競合または住み分けになりそうですね。

  • iPad mini:約8万円という価格優位性により、「iPhone + iPad mini」の2台持ちが折りたたみiPhone(約30万円)の有力な対抗馬に
  • iPad Air:「iPhone + iPad Air」の組み合わせでも約30~34万円と、折りたたみiPhoneと似た価格帯で、より大画面での作業が可能
  • iPad Pro:本格的なプロフェッショナル用途により特化し、折りたたみiPhoneとは異なる市場を狙う可能性

個人的な魅力:セルラー機能を備えた折りたたみiPhone

とはいえ、個人的には折りたたみiPhoneの最大の魅力は「iPad miniのセルラー版的な使い方ができる」点だと感じています。外出先でも通信制限を気にせず、7.8インチの大画面でネット検索や動画視聴、軽い作業。そして軽量なモバイルディスプレイとキーボードを組み合わせればより快適な作業空間を構築できるのは大きなメリットです。

ただし、この魅力を実感するには携帯性が鍵となります。現在の噂では、折りたたみiPhoneは閉じた状態で9-9.5mm、開いた状態で4.5-4.8mmとされており、iPhone 16 Pro Max(8.25mm)より約1mm厚くなる予定です(※Galaxy Z Fold 7は、閉じた状態で8.9mm、開いた状態で4.2mm。重さは約215g)。

この厚さが日常的な携帯にどの程度影響するかは実際に触ってみないと分からませんが、Galaxy Z Fold 7並みの使い勝手が実現できれば、「iPad miniのセルラー版」としての価値は十分にあるのではないでしょうか。

結果として、折りたたみiPhoneは「デバイス統合+セルラー機能重視」のユーザーには魅力的ですが、「コストパフォーマンス重視」や「用途別最適化重視」のユーザーにとっては従来の組み合わせが現実的な選択肢となりそうです。

競合他社との比較

実は、スマートフォンのPC的利用については、SamsungがGalaxy DeXモードで先行していました(何度乗り換えようと思ったことか!)。そして2025年6月にリリースされたAndroid 16では、GoogleとSamsungが共同開発したネイティブの「デスクトップモード」が搭載されました。

▲ Android 16で導入されたデスクトップモード(via:itmedia)

Android 16のデスクトップモードは、外部ディスプレイ接続時にPC風のインターフェースを表示し、複数のアプリをウィンドウ表示で同時実行できる本格的な機能です。ただし、タブレット向けは2025年後半から対応予定で、スマートフォン向けの対応状況はSamsung製が先行しているのが現状です。

しかし、Samsungの折りたたみ端末Galaxy Z Foldシリーズでも、アプリ側の対応が不十分で真のデスクトップ体験には至っていないという声も聞かれます。また、Android 16のデスクトップモードも発売当初は対応デバイスやアプリが限定的になる可能性があります。

だからこそ、AppleにはiPadOS 26で見せた本格的なマルチタスク機能をiPhoneエコシステムにも展開し、真の意味でのモバイルコンピューティングの未来を切り開いてほしいと期待したいです。

個人利用でのMac不要論

iPadOS 26の進化により、個人利用においてMacを購入する必然性は大幅に低下したと感じています。

これまでMacでしかできなかった作業の多くが、新しいiPadで十分に対応可能になりました。

  • 本格的な動画編集(バックグラウンド書き出し対応)
  • 複数のWebページやドキュメントの同時参照・編集
  • デザインソフトでの本格的なクリエイティブワーク
  • プレゼンテーション作成と発表
  • 表計算やデータベース管理

特に、外部キーボードとマウス、そして大型外部ディスプレイと組み合わせることで、従来のデスクトップPC環境と遜色ない作業環境を構築できるようになりました。

それでもMacでなければできない領域

とはいえ、まだMacの独壇場といえる分野も存在します:

プログラミング・開発関連

  • iOS/macOSアプリ開発:XcodeはMac専用で、App Store向けアプリ開発には必須
  • ローカルLLM開発・実行:LM StudioやOllamaなどでの本格的なAI開発環境
  • Web開発環境:Docker、仮想環境、複雑なビルドプロセスの管理
  • ターミナル・コマンドライン:本格的なシステム管理や自動化スクリプト

Microsoft Office完全版

  • Excel VBA・マクロ:iPad版では作成・編集・実行が一切不可。Mac版でも一部機能に制限
  • 高度なExcel機能:セル内文字の部分書式設定、外部データベース接続
  • Word/PowerPointの専門機能:アドイン利用、複雑なレイアウト編集

プロフェッショナル制作

  • Final Cut Pro、Logic Pro X:Mac専用の本格的な動画・音楽制作
  • Motion:3Dグラフィックス・モーション制作
  • 専門CAD・3Dモデリングソフトウェア
  • 統計解析・科学計算:R、MATLAB、SPSS等の専門ツール

システム・ユーティリティ

  • 仮想マシン実行:Parallels、VMwareでのWindows環境
  • Automator・AppleScript:高度な作業自動化
  • Homebrew:パッケージ管理とコマンドラインツール
  • 複雑なファイル操作:バッチ処理、スクリプト実行

つまり、iPadOS 26でiPadが大幅に進化しても、「作る」「開発する」「分析する」といったクリエイティブ・技術系の作業はまだMacの独壇場です。iPadは「消費」「軽い編集」「プレゼンテーション」「一般的なビジネス作業」には最適ですが、本格的な制作・開発作業では、やはりMacの柔軟性と拡張性が必要不可欠というのが現状です。

とはいえ、一般的な個人利用においては、iPadOS 26の登場によってMacの必要性は確実に低下しており、多くのユーザーにとってiPadが「メインデバイス」となる時代が近づいていることは間違いないでしょう。

私自身も、次の家用PC更新はMacBook系ではなく、iPad Proの大画面モデルまたは噂の折りたたみiPhone一台でいいかなと考え始めています。

今後への期待

iPadOS 26は間違いなく、iPadというデバイスカテゴリーの転換点となる重要なアップデートです。そして、この進化がiPhoneや他のApple製品にも波及していくことで、Appleエコシステム全体がより統合された、シームレスなコンピューティング体験を提供してくれることを期待しています。

特に、iOS 26での隠し機能として外部ディスプレイ接続時のiPadOS化が実装される可能性に少しだけ期待をしています。そして将来的には、デバイスの形状や接続状況に応じて最適なインターフェースに自動的に切り替わる、真に「インテリジェント」なOSの実現を夢見たいところ。

もう間もなくやってくるiPadOS 26の正式リリースが待ち遠しいですね。

iPad全操作使いこなしガイド2025(iPadOS 18対応/全モデル対応の人気操作事典)

iPad全操作使いこなしガイド2025(iPadOS 18対応/全モデル対応の人気操作事典)

1,480円(08/26 17:31時点)
発売日: 2025/04/30
Amazonの情報を掲載しています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です