ぷくおが経験したzoom発表会について全て書きます ー準備編その1ー

準備編

さていよいよ準備に入ります。どんなことでも準備が肝要。オンラインを利用しての発表会はスタッフはもちろん、話者や参加者も不慣れなので、一から十までマニュアルに落とし込むぐらいのつもりで準備した方がいいと思います(それだけやっても本番は何かしらハプニングが発生しますしね)。

使用ソフトの選定

今回ぷくおが使用したプラットフォームはzoom。ですがzoomにこだわらなくても、Microsoft Teamsやgoogle Meet、Cisco Webexなど様々なプラットフォームがあります。

各プラットフォームとも無料会員だったりデモミーティングが設定されていたりするので、発表会実行を命じられてから慌てて選ぶことにならないよう(または業者の言いなりにならないよう)事前に何個か試しておくのがいいかもしれません。

その際にチェックおいた方がいいと思うのは次の項目。

  • 価格
  • 参加方法(アプリのインストールが必要か、Webブラウザのみでも大丈夫か、スマートフォンアプリが存在するか)
  • 招待者が参加する際の簡単さ
  • 最大接続可能数
  • (テストしている回線が安定している前提で)プラットフォームの映像/音声が安定しているか
  • 画質/音質はクリアか
  • バーチャル背景(背景を任意の画像に置き換えることができる機能)が利用可能か(利用しない予定であれば当然不要)
  • 資料共有の使い勝手
  • チャット機能の使い勝手
  • 画面共有の使い勝手
  • ミーティング模様の録画。また録画した映像のファイル形式とサイズ。オンライン保存の有無。
  • セキュリティ(映像の暗号化、部外者の侵入排除)

ざっと考えただけでも結構なポイントがありますね。

4つめの最大接続可能数ですが、一気にメジャー感が増したzoomでは有料プランのエントリープランが100人(追加費用を払えば最大300人)で、一番上のプランが1,000人。当然ですがこれ以上のアクセスを見込むのであればMicrosoft Teams(最大10,000人)といった製品に絞られてきます。

ぷくおは日頃からzoomを使用していて、社外の方に急遽ミーティングに入ってもらいたい場合でもアカウント作成やアプリケーションのインストールが必要ないことを知っていたこと(URLを送ればWebブラウザからでも参加可能)、最大接続数が100超で済むこと、普段使っている中では映像/音声に十分満足できていたこと、バーチャル背景が利用可能ということで、慣れているzoomを利用して発表会を実施することにしました。

使用機材

プラットフォームと同時に選定していく必要があるのが配信するための機材。PC・カメラ・マイクが必須となりますが、それらが一つにまとまっているのがノートパソコンやタブレット端末。ですが経験上ノートパソコンやタブレット端末に内蔵されているカメラは避けるべきだと思います。

理由は2つ。

  • 単純に画質が悪い。少なくともよくはない。
  • 顔を下から見上げる形で映すため、顔映りが良くない

ということを念頭において、必要だと思われる機材をピックアップします。

配信に必要な最低限の機材

  1. 安定した高速インターネット回線
    配信者の回線が不安定では、利用するプラットフォームにお金をかけても猫に小判。配信を行う各拠点で全て光回線を利用するのが良いと思います。ぷくおが実施した際は1箇所WiFiしか利用できない拠点があり、リハーサルの時は全く問題がなかったのに本番になって回線が不安定になったというトラブルもありました。
    ・また、万一回線が切れた際にどうするかも頭に入れておくと焦りが減ると思います。ぷくおは万一の時は4G回線のスマートフォンでインターネット共有にし、WiFiで接続しようと考えていました。もちろん地域全体で停電となってしまったらあとは衛星回線(+非常用電源)しかありませんが、さすがにそこまでは準備不要でしょう。
  2. ホスト操作用パソコン
    話者が自分でホストとしての操作(画面切り替えや資料出しなど)をするといった荒技もできなくはないですが、かなり忙しくなるのでよほどの理由がない限り避けるのがベターだと思います。
    ・使用するパソコンですが、十分なスペックを持ち、安定して稼働していることが重要です。発表会当日、電源を入れたら延々アップデート作業が自動で始まってしまった。なんていうことがないように。

  3. 話者用パソコン
     ・話し手用のパソコン。こちらもホスト操作用パソコン同様、十分なスペックと安定稼働が必要ですね。後述のスイッチャーがあれば話者用パソコンは不要になります。
  4. 話者用カメラ/マイク
     ・重要な話者用のカメラとマイク。なるべく高画質な評判を得ているWebカメラや、予算が許せばSIGMA fpといったWebカメラとしても利用できるミラーレス一眼レフカメラを使用すると、一気にヌケの良い画になると思います。
     
    ・マイクについても、パソコン内蔵マイクだと自然な音を拾い切ることができません。話し声に適したガンマイクやピンマイクを用意しましょう。
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  5. 台本
     ・機材ではないので5番目に持ってきましたが、こちらも超重要。画面切り替えのタイムラグや遠隔同士の質疑応答の微妙な空気感など、オンライン会議ならではの間の取り方が重要になってきます。そういったものも含めて台本に落とし込んでおくと、オンライン発表会に慣れていない司会の方でも安心して進行できるはず。

あれば便利なもの

  1. 話者用の配信映像確認用モニター
     ・こちらはやってみて初めて分かったこと。先ほども画面切り替えのタイムラグについて言及しましたが、例えば司会に振られて話者が話し始めた時に、話者用PCでは自分の顔に切り替わっていると思っていたものが、視聴者からは司会が映ったまま。というのがありました。そんな悲劇を避けるためにも、視聴者と同様の映像が映るモニター(iPadなどのタブレット端末で十分)がカメラの近くなどにセットされているとスムーズに進行できると思います。
  2. 照明
     ・遠くの座席から肉眼で見る今までの発表会と違い、オンライン発表会では話者の顔がアップで映ります。ですので少しでも好ましい顔になるよう、顔用の照明があるといいですよ。
  3. 資料出し操作用PC
     ・ホストPCは台本に沿って間違いなく画面を切り替えするのにかなり神経を使います。発表の最中は話者だけでなく資料を表示したい場面も多々あるもの。そんな資料の画面をスムーズに表示できるよう、資料操作を行うためだけのPCを用意しておくとスムーズになります。
  4. トランシーバー代わりのもの
     ・いろんな現場で活躍するトランシーバー。ですが今回は各拠点を繋いでの中継ということ、話し声をマイクが拾うことからトランシーバーは利用不可。ですので、スタッフ用のLINEグループ(当然他のサービスでもいいですし)を作っておくと、トラブルが発生した際に迅速に処理できるはずです。
  5. スイッチャー
     ・zoomなどのプラットフォームでは、ホストPCからメイン画面に表示する端末を指定することができます。これを用いれば、例えば別々の場所にいる話者の切り替えをソフトの操作だけで実施することが可能となります。
     ですが、zoomでは視聴者が参加者全員を一覧できるタイル表示などに切り替えることができるため、厳密にホスト側でコントロールできるわけではありません。
     また、ソフトの切り替えなので操作に慣れていないと切り替えをミスすることもあり得ます。
     そういったトラブルを減らす1つの解決策として、カメラなどの映像を物理的に切り替えるスイッチャーを導入するのもおすすめ。1拠点・複数カメラなら、カメラからスイッチャーに映像を入力し、出力映像を拠点から配信する映像として使えますし、複数拠点からの映像であれば(面倒ですが)それぞれの拠点の映像を受けるPCを用意し、その出力映像をスイッチャーに入力できます。
     ぷくおが関わった発表会はzoom上での切り替えでしたが、リハだけでなく本番でも何度かスムーズな切り替えが出来なかったのを見てしまったので、次に実施する際はスイッチャーを導入したいと思っています。
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  6. カンペ出し用スケッチブック
     ・テレビ現場などと同様に、発表会ではマイクが周囲の音を拾います。司会や話者に対し、トラブル(映像切り替わっていない。とか、)などをすぐに伝えられるようカンペを用意しておくと便利。

必要に応じて用意するもの

  1. バックパネル
     これは発表会の性質によって要不要が変わります。ただ、バーチャル背景はあくまでバーチャルなので、もしバックパネルが必要で、用意できるのであれば現物を背景に据えるのが良いに決まっています。
  2. バックアップ用配信機材(グレードが落ちてもいいので、必須機材と同じ内容)
     先ほどの回線でも触れましたが、万一PCがフリーズなどで利用不可になった時や誰かがつまずいてカメラ/マイクのケーブルが断線した時に備え、1セットは予備があると安心です。
  3. 発表会終了後の素材提供用として、高品質の映像/音声の収録用機材
     オンライン発表会配信時のカメラはWebカメラ。終了後にTVニュースや新聞などで取り上げてもらうことを考えたら、それに見合った機材でも同時収録しておくのが良いと思います。
  4. 素材提供用のクラウドサービス
     素材提供用に収録したデータがすぐに配信できるよう、大容量・高速のクラウドサービスを用意しておきましょう。

発表会を行うのに喜ばれる時間帯・所要時間の設定

これはもう実際に参加される方に聞いてみるのが一番。ですが、オンライン発表が増えていくと思われる状況では、正時から初めて50分程度で終わらせられると、参加者も次にどこかで開かれるオンライン発表に参加することができるので喜ばれると考えられます。

また、視聴者がアクセスし、映像/音声が問題なく視聴できるか確認する時間が設けられるよう、開始20分〜30分前までには発表会へアクセスできるよう場を開いておきましょう。

発表会に向けた機材の組み合わせ方

さて、いよいよ実際の発表会に向けた機材を組み合わせていきます。話者の人数、拠点の数、必要と思われるカメラ/マイクの台数といった機材と、かけられる予算。どういう風に構築するのがベストかはそれぞれ異なります。

基本形

まずは基本的な形として、1つの場所に3人の話者がいるものの、新型コロナ対策として話者が離れていなければいけない。またはオンライン会見の特徴を生かして3人が別の場所から発表会に参加するときの構成を考えてみました。

話者それぞれにPCを用意し、そこにカメラとマイクを接続。また各PCは1つの端末としてzoomに接続し、ホストPCが台本に沿ってメイン画面に映す話者をチョイス。同時に、話者が視聴者が今どんな画面になっているのかを確認するためのタブレットを手元に置いておく。というのを想定してみました。

この形が最も予算が少ない方法だと思います。デメリットは先ほども述べましたが、ホストの作業量が多くミスが発生する要素が増える。画面切替でまごついたり視聴者が勝手に意図しない画面に切り替えられてしまうといったことだと思います。

理想形

続いて、メインとなる拠点に2人の話者(司会とメインの話し手)がいて、2つの違う場所にそれぞれ話者が2人ずついる場合を想定します。もちろん先ほどの基本形の端末を増やして対応することも可能ですが、こちらではぷくおが思う理想的な構成を書き出してみました。

 

この構成では、画面切り替えはスイッチャーと呼ばれる映像信号を切り替える専用の機械を用いてみました。メリットは先ほども触れた通りよりミスの少ない画面切り替えが可能であるということ。単純だけど、話者が変わっているのに画面が切り替わっていなかったり、画面は切り替わっているのに不要な音楽が流れたら失敗に一歩近づいてしまいます。

また、今回は違う場所にいる話者の映像/音声もスイッチャーに入れて、操作ミスをしやすいzoomソフト内での切り替えを無くしています。ただ、そのためには別のzoomミーティングの開設と、拠点端末の映像をスイッチャーに入力するためのPCが必要となります。

ちなみにzoomでは1つのホストアカウントは同時に複数のミーティングを開催することが出来ません(悪影響防止のため)。ですので、このような構成を行うためには無料/有料の別アカウントを作成し、メイン拠点と他拠点の1:1を結ぶためだけのzoomミーティングを実施する必要があります。

なお、zoom無料アカウントでは1:1のミーティングであれば時間無制限で利用可能ですので、セキュリティ上問題がない内容を伝えるのであれば無料アカウントでも良いかと思われます。

資料出しや音楽再生もホストPCとは切り離して操作することでミス防止を狙っています。基本形に比べて必要な機材が一気に増えていきますが、会社での発表であればこのぐらいは用意していてもミス発生によるイメージダウンを考えれば安いと思います。

次回

という形で、準備編1として必要になってくるソフトの選定や機材、発表会の構成などについて書いてきましたがイメージが掴めてきたでしょうか。

次回は実際に機材をセッティングするときの注意点や出演者・視聴者へ事前にお願いしておくことなどについて書いていきたいと思います。

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