SIGMA 45mm F2.8 DG DNのボケテストを夜の六本木で行ってきました。

先週末手に入れた、SIGMAの新レンズ「SIGMA 45mm F2.8 DG DN」。

SIGMA 45mm F2.8 DG DN for SONY Eマウントを装着!

週末撮影することができなかったので、会社帰りに夜の六本木で軽く撮影してきました。

レンズポテンシャル

まず気になるのが、レンズを補正無しで利用した時の素のポテンシャル。レンズの不完全性により発生する像が滲んだりぼやけたり歪んだりする性質。もちろんこれらは少なければ少ないほど高性能なレンズとなりますが、高性能レンズ≒高価・重いとなります。

収差には大きく分けて色の違い=波長の違いによってレンズ内の屈折分散が異なるために起こる色収差と、単一の波長の光でも起こる単色収差に大きく分けられます。また、収差以外にも周辺光量不足や逆光耐性などもありますので、まとめると次のような収差があります。

  1. 色収差
    1.軸上色収差
    2.倍率色収差
  2. 単色収差
    1.球面収差
    2.非点収差
    3.コマ収差
    4.像面歪曲収差
    5.歪曲収差
  3. 収差以外に画質に影響する要素
    1.周辺光量不足
    2.逆光耐性

これらの収差のうち、今回購入した標準レンズで起こりやすい収差は1-2の倍率色収差(画面周辺部で色の境界などで色がズレる)。2-2非点収差(画面周辺部で点が点として写らず縦/横にぼやける)。2-4像面歪曲収差(像が歪み周辺部ばボケてしまう現象)。2-5歪曲収差(直線が樽状/糸巻き状に歪んでしまう現象)あたり。とはいえ、デジタルカメラの性能が上がるにつれ、倍率色収差と歪曲収差は画像処理による補正が簡単となっています。

今夜はちょっとした撮影だったため、まずは歪曲収差の例から。

歪曲収差

手持ちで撮ったので厳密な画角の比較はできませんが、カメラ内の歪曲収差補正をオフにすると微妙に直線が曲がって写っているのがわかります。

続いて補正をオンにしたのがこちら。手持ちだったので微妙に曲がっているようにも見えてしまいますが、上と見比べるときちんと直線が直線として写っているのがわかります。

遠景での解放F値とF8、さらに非点収差について

こちらは遠景で写した森タワー。自宅内でテスト撮影した際は、解放F値だと甘く感じましたがこの写りを見るとそんなに気になることはないですね。またビル上部の点光源を見てもきちんと点が点として写っています。

こちらはF8で写した森タワー。ビル上部のカラフルな照明に光芒が出始めている以外は解放F値とあまり変わらないような気もします。見比べるとF8のほうがシャキッとしている気もしますが、手持ちの夜景なのでなんとも言えませんね。ちなみにISOは両方とも3200です。

ボケ

シグマがこだわったというボケの質。F2.8なのでそんなに大きいボケは無いと言いいますが、最短撮影距離に近い位置にオブジェを写し込み、背景のボケを見ていきます。

こちらはF2.8。車がいるというのはわかりますが、それ以外は何を撮ったのか分からないほどボケています。変な輪郭が発生することもなく、また玉ねぎボケも出ず、非常に綺麗なボケだと感じました。

続いてF5.6。後ろがステンドグラスのようなぐらいにはわかるようになってきます。ボケも微妙に7枚絞りによる7角形というのが分かりますね。

こちらはF8。小さなボケは7角形がはっきりしてきました。また光芒も現れ始めています。

F11はF8のそれをさらに強調してきた感じですね。背景の様子もかなり分かってきました。

一気に最小絞りとなるF22。背景はかすかにボケているぐらいですが、14本の光芒が綺麗に放射しています。

続いては前ボケを試してみました。

まずはF2.8で手前に木の葉を入れてみました。綺麗にとろけていて、嫌な感じがしないのがいいです。

続いてF8。だいぶ木の葉の様子が分かりますが、相変わらずボケの質は綺麗なまま。

とりあえず今日はここまで

会社帰りに少しだけ試してみましたが、何よりもボケの質が綺麗なのが気に入りました。どうしても構造上レモン状のボケになってしまいますが、なだらかに溶けていく感じはSTFレンズを使用しているぷくおでも満足がいきました。

歪曲収差はありますが、こちらはカメラ内の設定でも十分補正が可能です。そうなると(比較的)安価な価格設定、小型・軽量という設計が美味しく感じられます。

今回は夜の手持ち撮影ということで、厳密なピントのキレなどは検証できませんでしたので、そのあたりはまた今度試してみたいと思います。

何より、キットレンズでは写りに不満を覚え、とはいえSONY FE 100mm F2.8 STF GMでは重く、暗い(解放F値こそF2.8ですが、特殊レンズがあるため明るさはF5.6相当)ため、会社帰りに気分転換に撮影を目論んでいたぷくおにとっては待望のレンズだと言えます。

明るさだけ見ればもっと明るいレンズはありますが、肉眼で感じるボケの量に近いボケかたと、コンパクトで軽く、さらに金属で質感の高いレンズはスナップに最適解だという第一印象でした。

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