iOS11からAR(Augmented Reality、オーグメンティッド・リアリティ)と呼ばれる拡張現実を実現するための機能が追加されました。
どんなものかというと、去年大ヒットしたPokemon GOのように、カメラで映し出された現実の世界に、あたかもその中にいるようにCGが合成されるもの。
ポケモンでは地面などを認識できないので変な表示になってしまうことも多々ありましたが、新しいOSから撮影されているシーンを認識し、それに合わせたライティングを行えようになりました。
この新機能を使って、IKEAが家具を部屋に配置してイメージを掴んでもらうアプリを出したり、対象物の長さを測れるアプリが出たり、化粧品を試すアプリが出たり。と、今までになかったアプリがどんどんと出てきています。
今回紹介するAR CityもそんなARアプリの一つ。
こちらは現実世界に目的地までのルートを重ね合わせて表示するというアプリ。
サイバーナビのAR HUDユニットの動作イメージ。発表されたとき未来が来た!と思った
サイバーナビのAR HUDユニットは店頭で試用、他のアプリは実際に使っていましたが、どうしても現実の道や建物と少しずれてしまい、未来感はあるものの実用性では今一歩というものが多かったと思います(AR 山 1000は対象物が遠い分そんなに気にならなかった)。
ルートを重ね合わせて表示するのは、古くはパイオニアから発売されているサイバーナビというカーナビの上位機種に同梱・オプションで 設定されていたAR HUDユニットや、ルート設定は出来ないがどこに何があるかというのをARした「セカイカメラ」や、カメラに映った山の名前を表示する「AR 山 1000」といったアプリもありました。
AR Cityの何がすごいのか
そこで今回リリースされたAR Cityですが、何がすごいかというとGPSによる位置特定だけでなく、画像認識を用いているところで、アプリは主に3つの機能から成り立っています。
・1つ目の機能はARルート案内
こちらは現在地から目的地までのルートがカメラを通して映し出され、直感的にどちらに向かえばいいかが分かるようになっています。
・2つ目の機能は地図コンテンツの拡張
こちらはカメラに映った街並みに、レストランやランドマークが映し出される機能。
これは東京や大阪、京都、横浜、札幌を含む世界300都市で利用できるそうです。
・3つ目の機能は都市でのビジュアルポジショニング機能
これが目玉の機能ですね。現在はロンドン中心地、サンフランシスコ、カリフォルニア州マウンテンビューの3ヵ所だけでしか機能しませんが、実際の街並みから建物を認識し、アプリ内の建物情報と照らし合わせてGPS以上の精度で今どこにいて、どちらを向いているかを判断するもの。
こんな風に行くべき方向が確実に分かるようになるので、道が入り組んだ場所なんかでは役に立ちそうなのですが、現状(まだベータ版です)だと
・目的地が検索して出てきた施設しかセットできない(今回テストしたルートでも目的地はこんな道路の真ん中ではなく、右手前のビルにしたかった)
・東京の中心地で使用したのにもかかわらず、レストランやランドマークが表示されるという地図拡張機能がほとんど機能していない
・都市ビジュアルポジション機能が日本では使用不能
・地図を表示するモードの時、地図の拡大縮小ができない
といった機能不足な面があります。逆に言えばここがきちんと実装されれば非常に使いやすいナビゲーションアプリになりそうな気もします。少なくとも地図だけではどっちに行っていいのか分からなくなるような人にはWaaaaay!以上に使いやすくなると思います。
早く全機能が日本で使えるようになることを祈りながらファーストレビューを終えたいと思います。
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