ついに新型Jeep・ラングラーが正式に発表されました
ラングラーの生い立ち
ラングラーとは第2次世界大戦時に軍用偵察や連絡を目的としてフォード社とウィリス社によって生産された4輪駆動車をルーツに持ち、初代は1987年から発売されている本格クロスカントリーカー。
見た目の通り、オフロード走行に強く、屋根が外せたり、ドアや窓ガラスは損傷しても交換しやすいよう最初から外せる設計だったり、万が一部品が入手できない場所でも代替部品で修理しやすいよう直線だったり(普通の車はドアもガラスもカーブしている)、室内には水抜き穴があったり…と、この一台を手にすれば新しい世界が広がっていきそうな車です。
ぷくおはアメリカ・モニュメントバレーに行った際、オフロードでラングラーが走っている姿を見かけましたが、大変格好良く、手に入れたら生活が楽しくなりそうだなと思いました。
もちろんここ数年間の運転で、一番ハードだったオフロードは「ふもとっぱらキャンプ場」なぷくおには完全なオーバースペックなのは承知の上です(雨天のふもとっぱらはかなり厳しいコンディションになるらしいけど、行ったときはもちろん晴天の乾燥路)。
3代目JK型ラングラー
そんなラングラーですが、現在売られているのはJK型と呼ばれている3代目でこんな↓車です。
街中で見かけた方も多いと思いますし、ジープと言ったらこの形を思い浮かべる方も多いと思います。
JK型の簡単なスペック表はこちらです。
項目 | スペック |
---|---|
全長 | 4185mm(2ドア) 4705mm(4ドア) |
全幅 | 1880mm |
全高 | 1845mm |
ホイールベース | 2425mm(2ドア) 2945mm(4ドア) |
最低地上高 | 225mm(2ドア) 220mm(4ドア) |
最小回転半径 | 6m(2ドア) 7.1m(4ドア) |
乗車定員 | 4人(2ドア) 5人(4ドア) |
エンジン形式 (日本仕様) | V型6気筒 |
排気量 | 3604cc |
最高出力 | 209kw/rpm(284馬力) |
最大トルク | 347N・m/rpm(35.4kg・m) |
車両本体価格 | 396.3万円~443.8万円 |
こんな車を買ったら楽しそうだなと思う反面、現在のJK型のデビューは2007年であり、インフォテイメントシステムがほぼ皆無ですし、自動ブレーキと言った予防安全装置もありません。
オフロードを走るための車なので、変に高機能になって、誰も来ないような未開の地でそれらが故障してしまうよりかは無い方がいいというのも分かりますが、日本で乗るのなら自動ブレーキや前走車に速度を合わせるクルーズコントロールのACCといった機能も欲しいです。
そういった無いものねだりだった状況が、新しいラングラーではどうなったか。さらにぷくおとしては車体サイズや最小回転半径、燃費なんかも気になります。
4代目 JL型ラングラー
外観からチェック
こちらがついに登場した4代目JL型ラングラー。全体的な雰囲気は変わりませんが、灯火類の質感がぐっと上がっています。
リアの灯火類もLEDとなりました。また、スペアタイヤの位置が下がっていて、バックミラーでの視認性が向上しています。
フロントフェンダーにLEDの車幅灯が備わるのがちょっと近未来的な感じでカッコいいですね。
あとブレーキランプも面白い形状をしていますし、ヘッドライトもLEDで新しい感じを出しています(LEDはオプションの模様)。
ただ、車にあまり興味のない方からすれば、JK型もJL型も同じに見えると思います。ご近所さんには車を買い換えたことがバレないかもしれませんね(笑)
続いてインテリアをチェック
インテリアはかなりモダンになりました。メーターパネル内にもカラー液晶が追加されていますね。
センターコンソール中段にはMEDIAスロットが。こちらにはUSB端子が備わっています。
レザーシートの質感も、まあまあといったところでしょうか。
インフォテイメントシステムが一新されてちょっとラングラーらしくないおしゃれさ感が出ています。
このあたりは持株会社として一緒になったイタリア・フィアットの血が入っている影響ですかね(正確には経営不振だったクライスラーをフィアットが買収し、完全子会社化。その後持株会社となった)。
ダッシュボード中央のスクリーンは、標準が5インチ。オプションで7インチや8.4インチのタッチパネル式になり、オプションのディスプレイは AppleのCarPlayやGoogleのAndroid Autoにも対応しているとのこと。USBソケットも5つ装備されているそうなので充電の取り合いにもならないで済みそうです。
また、JK型で不評だった後席ですが、5ドア車は席が後ろにずらされたことで前席との余裕が出て、さらに背もたれの角度もより大きくなったので快適になっているそう。
窓はより大きく、そしてベルトラインが下がっているので解放感も増しているようです。
スペック一覧について(日本仕様)
項目 | スペック +-の数値はJK型比 |
---|---|
全長 | 4,320mm(2ドア) 4,870mm(5ドア)+165mm |
全幅 | 1,895mm +15mm |
全高 | 1,825mm(2ドア) 1,845mm(5ドアUnlimited Sport)+-0mm 1,840mm(5ドアUnlimited Sahara Launch Edition)-5mm |
ホイールベース | 2,460mm(2ドア) 3,010mm(5ドア)+65mm |
最低地上高 | 200mm |
最小回転半径 | 5.3m(2ドア) 6.2m(5ドア) |
乗車定員 | 4人(2ドア) 5人(5ドア) |
エンジン V6(ガソリン) 6速MT/8速AT | 排気量(cc):3,604cc 最高出力(馬力):284ps(6,400rpm) 最大トルク(N・m/rpm):347(35.4kg・m)(4,100rpm) |
エンジン 直4(ガソリン) ※eトルク機能付 ※8速ATのみ | 排気量(cc):1,005cc+ターボ 最高出力(馬力):272ps(5,250rpm) 最大トルク(N・m/rpm):400(40.8kg・m)(3,000rpm) |
エンジン V6(ディーゼル) ※4ドアのみ ※8速ATのみ ※2019年登場予定 | 排気量(cc):3.0L 最高出力(馬力):263ps 最大トルク(N・m/rpm):599(61.1kg・m) |
最大渡河性能 | 76cm |
車重 | アルミや高張力鋼の使用によりJKモデルに比べて90kgの軽量化 |
車両本体価格 | Sport:459万円 Unlimited Sport:494万円 Unlimited Sahara Launch Edition:530万円 |
車体サイズはJK型に比べて全長がかなり増加、全幅が若干増となりました。経験上全幅が1,850mmを超えると狭い道などで気を使いますね。
ただ、最小回転半径が一気に6.2mになったので、取り回しはかなり向上したのではないかと思います。
エンジンについて
エンジンはアメリカでは3.6L・V6エンジンと2.0L・直列4気筒エンジンの2つのガソリンエンジンと、3.0L・V6エンジンのディーゼルエンジンの3つが設定されるようです。
ガソリン仕様のV6エンジンは2011年からクライスラーで使用されているエンジンで、滑らかな回転と低燃費を実現し、ワーズオートマガジンという雑誌で2011年から3年連続で賞を受賞するような優秀なエンジンとのことです。
また、2.0L・直4エンジンは、なんとアルファロメオ・ジュリアに搭載されているエンジンがベース。そこにeトルクというテクノロジーを搭載して登場する模様です。
eトルクテクノロジーとはなんぞや!?と思いますが、マイルドハイブリッドで、アイドリングストップ機能やコースティング時(惰性運転)のエンジン停止などの機能があるようです。
スポーティーさが売りのエンジンをオフロードのラングラーに積んでどんな味になるんだ!?とも思いますが、このエンジンを積んだジュリアは低速から厚いトルクを持っていること、大排気量自然吸気エンジンのようなアクセルの微小な動きにも素直に反応してくれるようなので、きっと良いフィーリングなのでしょうね。
さらに、ロサンゼルスモーターショーの会場で、CEOより2020年にプラグインハイブリッド仕様も登場するという事が発表されたようです。プラグインハイブリッドになれば燃費も期待できそうですし、もしかしたらエアコンを乗車前に効かせるといったことも出来るようになるかもしれないので楽しみです。
燃費について
JK型では街乗りで4~8km/L、高速道路で8~12km/Lという方多いようで、決して燃費がいいとは言えない状況ですが、新型ではどうなるか。
アメリカでメーカーから役所に提出された燃費(3.6LのV6エンジン車)は次の通り。
・JL型は市街地7.7/高速9.8/複合8.5(km/L)
・JK型は市街地6.8/高速8.5/複合7.7(km/L)
※AT車同士の比較
V6エンジンでは現行モデルより+1km/L位の伸びにとどまりそうですが、内部は改良されたらしいものの基本同じエンジンに同じような車重ですから、たとえATが5速から8速となってもこんなものでしょうね。
また、2Lモデルはマイルドハイブリッドということなので当然燃費も良くなると考えられます。
アルファロメオ・ジュリアの2Lエンジン車は、車重が1,590kgで、日本のJC08モードで13.6km/L。
現行のJK型・4ドア車の車重が2,295kgで、JC08モードが7.5km/Lですから、新型で軽量化されて2,200kgぐらいとするとジュリアとの差は600kg。
こういったのを考えるとJL型のJC08モードは10km/L前後でしょうか。となると街乗りでは8km/Lあたりでしょうかね。
ただ、ラングラーは今までレギュラーガソリンを使用できていましたが、基本がアルファロメオのエンジンとなると2Lエンジンはハイオクガソリンになりそうな気もします。燃料代の差額を考えるとV6でもいいかもしれないですね。
追記:2Lモデルもガソリンはレギュラーで大丈夫だとのことです。となるとよほどV6に思入れがなければ4気筒エンジンで充分そうですね。
予防安全性能について
ぷくおが気にしている予防安全性能については最小限の進化に留まっているようです。
現時点で判明しているのは、
・リアカメラが標準装備
・リアに取り付けられている非常用タイヤやリアワイパーの取り付け位置を見直して、後方視界が向上
といった感じ。
上位モデルでも
・(後方の死角の車両を検知する)ブラインドスポットモニタリングが装備
・後退時に横から近づいてくる車両を検知する
・クルーズコントロールは装備(前走車追従機能があるかは不明)
といった機能が装備されるだけのようで、自動ブレーキといった装備は無さそうな感じです。
オフロードメインの車なので装備しないという判断も分かりますが、今後各国の衝突安全テストで自動ブレーキといった装備も点数に入って行くことを考えるとセールス的に大丈夫なのか心配です。
まとめ
書いてきた通り、一目でジープだと分かる形を保ちながら、各所をアップデートした手堅いフルモデルチェンジだと思います。
書ききれませんでしたが、屋根が外せたり牽引性能が良かったり、アプローチアングルを増やすためにパーツを外せたり…と、オフロードを走行するための機能が満載なのも所有した際の満足度を高めてくれそうです。
もちろん水抜き穴は新型でも健在なので、ガンガン使ってワイルドに洗車するという楽しみも引き続き出来るとのこと。
他の車がどれも似たような感じでちょっとつまらないかな。なんて思ってるような方ならぜひ一度試乗してみるのもよさそうですね。ぷくおも日本で発売されたら一度は乗ってみたいと思います。
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新型ジープラングラー良いですよね。
一方、家の駐車場が狭く、更に鋭角で入れる必要があり、最小回転半径は凄く重要な数字なので、気になって、以前海外サイトも含めて調べていました。(色々な動画ではタイヤの切れ角が良く切れている様に感じてとても気になってました)
私が見つけたのは、韓国のサイトですがこれによると、4ドアの最小回転半径は6.2mです。
普通の車よりは大きいですが、現行JKが7.1mという事を考慮するとすごく改善されていますね。リンクを張り付けましたので、最終ページをご確認下さい。他の色々なスペックも出ていますよ。
(google翻訳のアプリを落とせば、写真から画面を指でなぞって翻訳出来ます)
https://www.jeep.co.kr/content/dam/cross-regional/apac/jeep/ko_kr/shopping_tools/pdfs/18MY%20JL_CATALOG_FINAL_0821.pdf
コメントありがとうございます。
やはり日本での運転を考えると最小回転半径は大事ですよね。
アメリカのJEEPのHPでは見つけられず、アメリカのサイトやBBSを探し回った中ではJK型に比べて少し改善とか同等ということだったので、7.1mは厳しいなと感じていました。
今回教えていただいた韓国JEEPのページでは確かに6.2mと記載されていますね! これなら日本での使い勝手もかなり良さそうです。
教えていただきありがとうございました!