カメラの性能がiPhoneシリーズ過去最高のPhone Xをしばらく使ってみて、新しいデジタル一眼はいらないかも…と物欲が少し下がってしまっているぷくおです。
デジタル一眼で撮った写真であきらかにコンパクトカメラや携帯カメラと違うなという写真は、個人的には
・広角や望遠の写真
・背景(や前景)をぼかした写真
・夜景や天体の写真だと思います。
広角や望遠はiPhoneに接続できるレンズアダプタで日常的な範囲であれば何とかなります(見た目もごつくなりますが)。夜景や天体写真は、今までのスマホでは太刀打ちできませんでしたが、最近ではスローシャッターを実現するソフトとセンサーの進化により何とか撮れるようになってきました。
そして、「ぼけ」です。ぼけは日常の撮影でも被写体を背景から浮き上がらして撮影できるので、日常使いのスマホで表現できれば非常に便利ですよね。
iPhoneでは7Plusからポートレートモードという機能を使ってボケが表現できるようになりましたが、先日リリースされたiOS11で正式版となり、さらにiPhone Xでは2つのカメラに光学式手振れ補正が搭載されたことでより活用の幅が広がりました。
そんなiPhone Xのボケについて検証してみたいと思います。ボケ量はどの程度なのか本来ならフルサイズ(35mm)の一眼レフと比較したかったのですが、残念ながら手元にはないのでAPS-Cサイズの一眼レフと比較してみました。
テストはカメラ位置から50cmの位置に犬の置物、100cmと150cmの位置にムーミンのにょろにょろを置き、30~40cm位の高さにカメラをセット(肘をついての撮影)。
上から見た位置関係はこんな感じです。
まずiPhone Xのカメラで撮影ですが、広角側で犬の置物にピントを合わせたものがこちら。
続いて望遠側で撮影したものがこちら。
犬にピントを合わせたまま、ポートレートモードにするとこんな風にぼけます。
続いて100cmの位置にいるにょろにょろにピントを合わせ、ノーマルモードの写真がこちら。
ポートレートモードの写真がこちらになります。
ポートレートモードにすると一気に背景がぼけて、主題が明確になりますね。
また、ポートレートモードでは被写体の後ろ側に比べて前側はあまりぼけないということも分かりました。
ここからが本題。同じ被写体をAPS-Cサイズと1インチのセンサーをもったカメラで撮影するとどうなるのか。
三脚を使用していないので多少構図にぶれがあったり、完璧にiPhoneの画角と合わせているわけではないですが傾向はつかんでもらえると思います。
まずは手前にある犬の置物にピントを合わせ、F2.8からF7.1まで絞りを変えて撮ったものがこちらになります。クリックすると大きなサイズが見られますのでよかったら見てください。
F値 | APS-C | 1インチ |
---|---|---|
2.8 | ||
3.2 | ||
3.5 | ||
4 | ||
4.5 | ||
5 | ||
5.6 | ||
6.3 | ||
7.1 |
続いては100cmの位置にあるにょろにょろにピントを合わせたときの写真です。こちらもクリックすると大きなサイズが見られます。
F値 | APS-C | 1インチ |
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2.8 | ||
3.2 | ||
3.5 | ||
4 | ||
4.5 | ||
5 | ||
5.6 | ||
6.3 | ||
7.1 |
いかがでしょうか。
ポートレートモードが使用できる2.5m以内に被写体がある場合は、被写体の背景はAPS-Cサイズのセンサと比べるとF2.8以上ぼけているように感じます。被写体の手前はあまりぼけませんが、「ポートレート」という使い方を考えると特段問題ではないと思います。
以前の記事にも書いたように、髪の毛に隙間があいていて後ろが映り込んでいるような場合は処理のミスが見える場合がありますが、普段持ち運びしている携帯電話でこれだけぼければ十分だと思います。
あとはぼけ量をコントロール出来たら一層便利なのですが、アップルはシンプルな操作体系を重要視しているので純正アプリでは多分この先も無理でしょう。
今後は背景のぼけ方、具体的には二線ボケや年輪ボケについても検証してみたいと思います。
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