デジタル一眼レフ/ミラーレスカメラが登場してからもずっと残っていたのが機械式のシャッター。
今までのイメージセンサーはローリングシャッター方式と呼ばれていて、画像の撮像面上部の画素から順に読み出す方式となっています。
このため、機械式のシャッターを用いないと高速で移動するプロペラやゴルフや野球のスイングでは読み出し始めた上部と読み込み終わりの下部の時間差により写真が歪むという問題点がありました。
そのため、デジタル式になってもシャッター速度は1/8000秒程度の機械式シャッターの制限に抑えられるか、または歪みを諦めて電子シャッターを使用するしかありませんでした。
そんな欠点を無くすべく、全画素を同時に露光・読み出す「グローバルシャッター方式」のイメージセンサーの開発が各社で続けられていると報じられていましたが、ついにSONYから世界で初めて(※レンズ交換式デジタルカメラとして)グローバルシャッター方式のフルサイズイメージセンサーを搭載するミラーレス一眼カメラ『α9 III』が発表されました!!
ミラーレス一眼カメラ『α9 III』
特徴はなんといってもグローバルシャッター方式のイメージセンサー。
今までのミラーレス一眼で必ず付いていた機械式シャッターはついに姿を消し、制約がなくなったことでシャッター速度は1/80000(8万分の1!)秒を実現。
さらに最新の画像処理エンジンBIONZ XR®(ビオンズ エックスアール)を搭載し、最高約120コマ/秒のAF/AE追従でブラックアウトフリーの連続撮影も可能になりました。
1秒間に120回もシャッターを切れるだけでも凄いのに、そのシャッターを切る合間にAFが作動するなんて化け物みたいな性能としか思えません。もちろん、最新のαらしく高精度な被写体認識性能も搭載されています。
そしてもう一つ凄いのが、対応するソニー製フラッシュを装着した際は、シャッタースピード1/80000秒までの全速でフラッシュを同調して撮影することが可能ということ。
今までのカメラだと大体1/200秒までしか同調することが出来ず、それ以上の速度でシャッターを切ると光量が大幅に低下するという問題がありましたが、それも無くなってしまいました。
また、シャッターを押す前の瞬間を最大1秒前まで遡って記録できる「プリ撮影機能」、撮影中の連写速度変更や、連写した複数枚画像を高品位に合成する「コンポジットRAW撮影」など、今までのカメラでは考えられなかったような機能(とはいえ歪みの問題を別にすればスマホではここ数年で搭載されていた機能もありますが)も使えるように。
まさにエポックメイキングなカメラとなったα9 Ⅲ。
当然ながら価格も高く、市場推定価格は88万円となっています。
とはいえ今まで撮れなかった写真が撮れるので、プロのみならずハイアマチュアでも購入される方も多そうですし、なんとか手が届くような価格設定となっています。
α9 Ⅲは今後、ソニーストア 銀座、ソニーストア 札幌、ソニーストア 名古屋、ソニーストア 大阪、ソニーストア 福岡天神にて、11月23日(木)より展示予定で、発売は2024年1月26日を予定しているとのこと。
これからどんな見たこともないような写真が出てくるのか。そしてグローバルシャッター方式を搭載した普及価格のカメラがいつ頃出てくるのかを楽しみに待ちたいと思います。
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