昨夜はぷくお妻に誘われて、黒木華さん、樹木希林さん、多部未華子さんらが共演する”お茶”を題材にした映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」を観てきました。
茶道はぷくお妻が定期的に、ぷくおが不定期に習っていて、今回はぷくお妻が日日是好日を観ようと言ってきました。当初、ぷくおは映画のキャストも知らなかったし、「お茶の映画=つまらない」と思い、ぷくおは観に行かないつもりでした。
ところが出かけるという30分前に予告編を見て、お茶を教わる時に感じる所作の疑問や苦労といった、思わず分かる分かる!と思うようなことや、本当にしたいことは何なのか、といったテーマに共感して、急遽ぷくおも鑑賞しに映画館へ向かいました。
「日日是好日」の公開は2018年10月13日(土)ということで、まだ公開からさほど日が経っていません。しかし、火曜日夜の21時過ぎから始まる回ということもあり、シアター内にはぷくお達の他には2組3名しかおらず、ほぼ貸切状態。
物語は大学生の典子(黒木華)が母の突然のお茶の勧めと、同い年の従姉妹の美智子(多部未華子)の「お茶やってみようよ」という誘いで、近所で只者ではないと母が感じた武田さん(樹木希林)の茶道教室へ通うことに。
通された茶室に掛けられていたのが「日日是好日」と書かれた扁額。この扁額を始めとして見るもの全てが初めての空間でお茶を習い始めます。
最初はお茶菓子とお茶を楽しませてもらうものの、お稽古が始まると茶道ならではの所作の決まりごとの多さに若い2人は困っていて、ぷくおもつい分かる分かる!と心の中で笑ってしまいました。
時が過ぎ、美智子は卒業とともに商社へ就職、そして結婚を機に退職、出産とどんどん前へ進むのに対し、典子は希望していた出版社に落ち、他の業界を目指すことなく出版社でアルバイトをするかたわらで、毎週土曜日にお茶を習う生活が続きます。
所作も身についてきた頃、茶室を取り囲む自然の四季の移ろいや掛け軸の楽しみ方を知るようになっていきます。
徐々に後輩も出来、かつての自分を見るようなおっちょこちょいに笑う時もあれば、後輩の飲み込みが早くて焦るシーン、さらに武田先生から自分では気づいていなかった所作の振る舞いについて指摘され、壁にぶつかってしまうこともあります。
プライベートでもさまざまな出来事が起き、お茶を習い始めてから24年もの時が経過し、五感を使って全身でその瞬間を味わい、「日日是好日」という言葉を噛みしめていきます。
映画はほぼ全編を通して静かな情景が映し出されていて、その場にいるかのような雰囲気が味わえました。
お茶ならではの掛け軸と茶花で季節感を出したり、客人をもてなしたりすることに、改めてぷくおは感動しました。
また、劇中で出されるお菓子の美味しそうなこと! エンドロールに複数の店舗名が出ていましたが、後日調べてそのお店にも行ってみたいと思えるほどでした。
途中、ありがちだなと思う展開もありましたが、それも主人公・典子の成長・気づきのためには必要なことでしょうし、全体を通して静かにメッセージを語りかけてくるように感じました。
また、本年9月15日に逝去した樹木希林さんの眼差しが映るシーンが多く、訃報を聞いたときはそれほどの悲しみも無かったのですが、こうして映画を観るともう新たな樹木希林さんの姿を見ることはできないのだな。と思ってしまい、目頭が熱くなりました(遺作は来年公開のエリカ38)。
とりあえず週末は濃いお茶を立てて飲んだり、フェリーニの「道」を観て、「日日是好日」のメッセージをぷくおなりに咀嚼したいと思います。
予告編を見て少しでも気になった方は、良い音が楽しめる映画館でぜひご覧になってみてください。
「日日是好日」公式サイト
https://www.nichinichimovie.jp/
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