ソリッドステーク vs エリッゼステーク

硬い地面でも突き刺さることから好評を博しているスノーピークのキャンプ用品「ソリッドステーク」。

スノーピーク自ら「スノーピークのシンボルです。」と言うほどのペグで、燕三条に伝わる鍛造製法でどんなに硬い地面にも確実にテントやタープを固定すると謳い、かつキャンパーからの信頼も厚い製品です。

▲snow peak ソリッドステーク

パッと見た感じでは同じ製品に見えなくもない(?)ペグが、同じ新潟県三条市にある山谷産業から「村の鍛冶屋」と言うブランドで発売されている鍛造ペグ「エリッゼステーク」

▲村の鍛冶屋 エリッゼステーク

スノーピークのソリッドステークが1995年から販売されていたのに対し、村の鍛冶屋のエリッゼステークは2013年発売。

ソリッドステークは長さ30cm6本入りのセットが税別2,480円(1本あたり約410円)。エリッゼステークは長さ28cm5本セットが税別1,650円(1本あたり330円)と、サイズに多少の差異はありますがエリッゼステークの方が安く、またカラーバリエーションや焼入れしてさらに強度を高めた物も登場しています。

スノーピークからは形態が同一または酷似するとのことで過去に警告されたものの、引き続きエリッゼステークは販売されてきていました。

新たなステージへ

今回、スノーピークは山谷産業に対して不正競争防止法違反を理由に、製造・販売差止めと損害賠償を請求する訴訟を東京地裁に提訴しました。

スノーピークからは、エリッゼステークの製造及び販売等の行為は、不正競争防止法第2条1項1号の不正競争に該当する可能性が高いと元知的財産高等裁判所判事に見解をもらったことから提訴に踏み切ったとのこと。

不正競争防止法第2条1項1号の内容
他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

スノーピークは、ソリッドステークは多大な費用と時間と労力を費やして創作したデザインでお客様にご愛好いただけている。エリッゼステークはお客様が「スノーピークの商品である」誤認し、混同してしまう恐れがあると考えられる。と言っています。

デザインの差

ペグなので、地中に突き刺さる部分のデザインはスムーズに沈み込むよう限られてくると思われます(円柱のほか、楕円やV字型など)。

となると、スノーピークらしいデザインと判断する場所はヘッドの部分がメインになるのでしょうか。

左がスノーピーク 右が村の鍛冶屋

ロープを引っ掛ける形状やペグを抜く際に便利な穴など似ている機能部品もありますが、ハンマーで叩く部分が飛び出ている/肩の部分と同一になっていると言った違いがあるほか、地中に刺さる部分が丸いソリッドステークに対し楕円形に潰したエリッゼステークと異なっていて、エリッゼステークは地中でくるくる回らず便利という声もあります。

また2社以外で鍛造ペグを販売している代表的なメーカー(コールマンとロゴス)見てみるとこんな感じ。キャンプに馴染みのない方にしてみたらどれも似たり寄ったりとも言われそう。

・コールマン

・ロゴス

また、鍛造ペグではないものの、エリッゼステークよりももっと似ている商品もあります。

・Bush Craft

エリッゼステークがソリッドステークに似ているというのであれば、コールマンのペグも似ているとも思えます。資本金21億超の大企業であるsnow peakに対し、山谷産業は約20年設立が遅く資本金1000万円と比較すれば小さな会社。コールマンのような大手は叩けないけど中小企業だから叩く。なんてことでなければいいのですが。

認知度

不正競争防止法を持ち出した中には、エリッゼステークはお客様が「スノーピークの商品である」誤認し、混同してしまう恐れがあると考えられる。と書かれていますが、エリッゼステークは2016年に「ニイガタIDSデザインコンペティション2016 IDS賞」を受賞しているほか、繊細な心遣いや匠の技から生まれる日本を代表する、優れたおもてなし商品・サービスに与えられる「おもてなしセレクション」の1つとして2017年度に選ばれているそう。

となると、エリッゼステークそのものもそれなりの認知度があると言えるばかりか、下手をするとキャンプ非愛好者からはエリッゼステークの方が認知されている可能性もありそうですね。

どうなる今後

今回の騒動がどうなるかはまだまだ分かりませんが、ぷくおとしては同じ地域の会社同士、仲良くやってほしいと思いますが、どうしてもデザインの盗用だと思うのであればしっかりと裁判で白黒つけてほしいところ。

色々と見てみると、訴訟相手は山谷産業ではなくBush Craft社なんじゃないか?とも思ってしまいます。東京地裁がどう判断するのか今後も関心を持って見守りたいと思います。

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