日々の料理で使う包丁やキャンプで使うナイフなどで気になってくるのが刃の切れ味。ぷくおは木屋(キヤ)のニューエーデルワイス包丁を使っています。
こちらは柄の部分までフラットな形状で、かつ素材もエバーブライトハンドル(18%クローム、8%ニッケル)で出来ていることから錆びない。さらに食器洗浄器も使用可能。ということでかなり便利な包丁です。
切れ味が悪くなったら都度、貝印の中仕上砥石を使って研いで使用していますが、気になるのがさらに良い切れ味の包丁。
人工砥石や天然砥石といった言葉は聞いたことがあったけれど詳しくは分からないし…ということで取り寄せたのがこちらの本「包丁と砥石大全」。
価格はちょっと高めですが、包丁の種類から包丁の基礎知識、包丁選びの知識。といった軽い話(?)の次はいきなり業務用包丁シェア日本一の包丁の街「堺」の包丁鍛治の包丁製作紹介。
堺ならではの分業制が丁寧に紹介され、なるほど一流の刃物はこんな風に作られるのか。と感心したあと、ついに砥石の話に。
砥石
今では人工砥石が主流となったものの、それでも衰えない魅力の天然砥石について、刃の形を整えていく荒砥・中砥、そして仕上げとなる砥石「合砥(あわせど)」について、日本各地の砥石が写真付きで紹介されるだけでなく、天然ならではの癖や筋といった研ぐ時に悪影響を与える存在の説明が続きます。
挙げ句の果てに、京都の天然砥石を掘り続ける職人の、採掘から砥石への加工工程まで紹介。
もうここまででお腹いっぱい。果たして切れ味のいい包丁と悪い包丁でどこまでの差が出るの?と疑問を持ち始めたところで、実際に比較して判明した味の違いや切断面の細胞の損傷具合が紹介され、徐々にいい包丁といい砥石が欲しいという気持ちに心変わり(笑)
仕上げ(?)として、包丁の研ぎ方紹介とともに、人工砥石と天然砥石の差からくる仕上げへの影響が、きちんと顕微写真付きで解説されます。
最後の包丁研ぎの紹介では、プロの人工・天然の砥石をなんと計14種類も使いこなす職人が紹介されていたのが衝撃的でした(この方はより切れる刃を作るために、次のステップが少しでも楽になるように研究した結果、砥石の本数が増えている)。
仕上げ
この丁寧な本の構成の結果、最近は評判が良いSpyderco(スパイダルコ)のナイフ研ぎ器とオプションの超仕上用砥石を購入しようとしていたものの、和包丁を今後使ってみたいという気持ちもあるので、日本の「研ぎ」ができる砥石の方がいいだろうという結論になってしまいました。
スパイダルコだと特定の角度の刃は付けられるものの、刃が欠けるリスクを抑える刃の先だけ角度をつけて2段階や3段階の刃を形成する。なんてことはできないはず。さらに、段の部分が滑らかな「ハマグリ刃」なんて仕上げは絶対無理そう。
となったらまずは持っている砥石の性能をリフレッシュするための面直し砥石を購入したいところ。
そして、持っている砥石は番手が1000番相当なので、程よい番手の仕上げ砥石を買ってみたい。とはいっても天然砥石はちょっとハードルが高い(本の中には天然砥石の相性・選び方。なんてトピックもあります)ので、まずは人工の仕上げ砥石を買ってみようと思います。
かなりマニアックな本ですが、切れ味のいい包丁を自分で研いで作ってみたい。という興味を持った方なら読んで損はないですね。
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