昨秋から日本での巡回展が始まった「アルヴァ・アアルトーもうひとつの自然」を鑑賞してきました。
アルヴァ・アアルト氏(1898-1976)はフィンランドが生んだ20世紀を代表する世界的な建築家・都市計画家・デザイナーで、都市計画といった大規模なものから家具、ガラス食器などの日用品のデザイン、絵画まで多岐にわたる活動を行いました。
ぷくおが初めて知ったのはガラス工芸品のサヴォイ・ベース(アアルト・ベース)ですが、アアルト氏をより詳しく知りたいと思い、2019年2月16日から4月1日まで開催されている「東京ステーションギャラリー」へ足を運んできました。
展覧会の内容
展覧会はアアルト氏が建築家として歩み始めた頃から順を追って展示されていました。初期の頃は教会の設計協議に数多く応募。そのプランには、新婚旅行で訪れたイタリアの影響がうかがえ、説明板によると”イタリアとその文化の歴史は本質的な参照点であり続けた”そうです。
次第に実力が認められ、パイミオのサナトリウムといった大きな建築物から有名なニューヨーク万博のフィンランド・パヴィリオン、世界各地の都市設計、さらに家具や照明、ガラス器などのプロダクトデザインまで活動範囲を広げていったことが写真・模型・図面などで理解できました。
アアルト氏は無意識の中にこそ建築と芸術に共通する源が深く根ざしていると信じ、ジャン・アルプやフェルナン・レジェといった芸術家と交流を持ち、有機的なデザインも影響を受けたようです。
そして数々の家具と同時に出来上がったぷくおの大好きなサヴォイ・ベース。個展の「5 自在な形」というコーナーに木で作られた型と初期の頃のサヴォイ・ベースも展示されていたそうなのですが、あろうことか完全に見落としてしまいました…
おそらく、同じエリアに展示されていた「ニューヨーク万国博覧会フィンランド・パヴィリオン」の映像や模型、図面に目を取られていたためだと思いますが、痛恨の失敗でした。
いつか木枠のサヴォイ・ベースを手に入れようと思っているので、代わりにフィンランド・パヴィリオンをしっかり見ることが出来たと思うしかないですね。
また、有名なアルテック・スツール60に代表されるL字型の曲げ木の脚「L-レッグ」についても映像や実物が展示されていたため理解を深めることができました。
ガラス製品・家具からアアルト氏に魅せられた一人としては、もっと家具・ガラス製品を見たかったのですが、いかに偉大な人であるのかが改めて理解でき、行って良かった展覧会でした。
イッタラやアルテックが好きな方はもちろん、建築家や建築を目指している方はより楽しめる展覧会だと思います。
「アルヴァ・アアルトーもうひとつの自然」巡回展
東京ステーションギャラリー
- 開催期間:2019年2月16日(土)~4月14日(日)
- 開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20時まで。また入館は閉館30分前まで)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
- 所在地:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
- TEL:03-3212-2485
- 入館料:一般(当日)1,200円 / 高校・大学生(当日)1,000円 / 中学生以下無料
青森県立美術館
- 開催期間:2019年4月27日(土) – 6月23日(日)
- 開館時間:10月1日 – 5月31日 9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)
6月1日 – 9月30日 9:00 – 18:00 (入館は17:30まで) - 休館日:毎月第2、第4月曜日 (この日が祝日の場合は、その翌日)
- 所在地:青森市安田字近野185
- TEL:017-783-3000
- 観覧料:一般 1,500円(1,300円)/ 高大生 1,000円(800円)/ 小中学生無料
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