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先日ご紹介した、カメラ器材ブランドのPeakDesign社がクラウドファンディング「Kickstarter」で現在募集しているスーツケース「Roller Pro」。
若干高いような気もしますが、とにかく7mm厚に抑えたハンドルのシステムチューブが魅力的ですし、海外のレビューを見ていると車輪も非常に滑らかだし車輪内部への異物混入が無いようシールドベアリングを使用しているといった好意的なものもあって、購入画面で最後のクレジットカード番号記入画面までいき、購入するのをやめたのでした。
購入をやめたわけ
購入をやめたのは単純に日本に住んでいるから。というのも、日本では銀一株式会社が正規代理店となっていて、今回のKickstarterで購入した場合は永久保証の保証を受けるためには毎回アメリカ本社とやり取りをする必要が発生し、往復の送料が平均120ドルかかってしまうほか、当然ながらやり取りは全て英語という障壁も発生します。
噂ではアジア拠点が今年後半に設立され、送料が半額になる。という噂ですが、それでも60ドル≒9千円かかってしまい、国内の往復2,500円平均に比べたらはるかに高い。また、当然ながら処理日数もかなり異なり、国内であれば3営業日。アメリカでは7営業日+往復の輸送日数がかかってしまいます。
ここで気になるのが、いったいいくらで国内販売されるのか。
日本国内価格予測
Peak Design製品の日本国内正規品とアメリカ公式価格の比較を通じて、両市場間の価格差と適用為替レートを分析し、「Roller Pro Carry-On Luggage」の日本価格を予測してみます。
既存製品の日米価格比較とレート分析
エブリデイシリーズV2の価格パターン
最も充実したデータが得られるエブリデイシリーズV2の日米価格比較を行うと、製品ごとに適用為替レートに微妙な違いが見られます。
商品名 | 日本の定価 | 公式価格 USD | 実質為替レート |
エブリデイバックパック30L | ¥42,900 | $289.95 | 約148円/$ |
エブリデイバックパック20L | ¥38,500 | $259.95 | 約148円/$ |
エブリデイバックパックジップ20L | ¥33,000 | $219.95 | 約150円/$ |
エブリデイバックパックジップ15L | ¥28,600 | $189.95 | 約151円/$ |
エブリデイメッセンジャー | ¥33,000 | $219.95 | 約150円/$ |
エブリデイスリング10L | ¥22,000 | $149.95 | 約147円/$ |
エブリデイスリング6L | ¥15,400 | $99.95 | 約154円/$ |
エブリデイスリング3L | ¥12,100 | $79.95 | 約151円/$ |
エブリデイシリーズV2では、製品価格帯や種類によって適用為替レートに若干の差異があり、平均すると約150円/$の換算レートが適用されています。この金額には関税、物流コスト、代理店マージンなどが反映されていると考えられます。
トラベル三脚の価格設定
高価格帯製品であるトラベル三脚では、より高い為替換算係数が適用されています。
製品名 | 日本価格(税込) | 米国価格 | 実質為替レート |
トラベル三脚(アルミニウム) | ¥58,300 | $349.95 | 約167円/$ |
トラベル三脚(カーボン) | ¥100,100 | $599.95 | 約167円/$ |
トラベル三脚シリーズでは、エブリデイシリーズよりも高い約167円/$の換算レートが一貫して適用されていることがわかります。
価格改定の影響
Peak Design製品は定期的に価格改定が行われています。2022年2月の価格改定では、為替変動に伴い約15%の値上げが実施されました。また、2024年6月12日にも為替市場の変動に伴う価格改定が行われています。
価格設定パターンの分析
Peak Design製品の日本正規価格設定には、以下のパターンが観察されます。
- 製品カテゴリー別の換算レート:エブリデイシリーズ(約150円/$)とトラベル三脚(約167円/$)では異なる換算レートを適用
- 製品価格帯の影響:一般的に高価格製品ほど高めの換算レートが適用される傾向
- 定期的な価格改定:為替変動に応じて概ね半年〜2年周期で価格調整が実施される
個人輸入の際は送料(平均$30-35)や関税が別途発生する可能性があるため、実質的な価格差はさらに縮小します。
Roller Pro Carry-Onの日本価格予測
Roller Pro Carry-Onの米国価格$599.95をベースに、日本正規価格を予測します。
価格予測の根拠
- 製品カテゴリーと価格帯:Roller ProはTravel Tripodと同様の高価格帯トラベルギアカテゴリーに属し、カーボン三脚と同一価格($599.95)に設定されています。
- 適用為替レート予測:トラベル三脚と同様のプレミアム価格帯であることから、類似の換算レート(約167円/$)が適用される可能性が高い。
- 最近の価格改定要因:2024年6月の価格改定により、より最近の為替動向が反映されている可能性あり。
日本価格の試算結果
適用換算レート | 計算式 | 予想日本価格 |
エブリデイシリーズ平均レート(150円/$) | $599.95×150円 | 約90,000円 |
トラベル三脚レート(167円/$) | $599.95×167円 | 約100,200円 |
Roller Pro Carry-Onの特性と既存製品のパターンから分析すると、日本正規価格は約100,000円前後になる可能性が最も高いと予測されます。これはトラベル三脚カーボンモデルとほぼ同価格となり、製品カテゴリーと価格帯の一貫性を考慮すると妥当な推定値と考えられます。
一方、89,800円という以前の見込み価格は、エブリデイシリーズに近い換算レートを適用した場合の金額に近く、実際の販売価格はこの推定値と実質為替レート167円/$に基づく100,000円の間に設定される可能性があります。
これらの分析から、Roller Pro Carry-Onの日本正規価格は、為替や最新の価格改定を考慮すると89,800円〜100,000円の範囲内で設定されると予測されます。
まとめ
以上の考察をもとにしたKickstarterと正規品の価格差は2~3万円ということに。もちろん小さくはない金額ですが、せっかくの生涯補償を受けられないような状態に自らしてしまうのはちょっともったいないところ(自ら壊すようなことはかなり少ないとはいえ)。
以上のことから、とりあえず日本における正規販売を待って、実際の製品を見てから購入を判断しようということにしました。
クラウドファンディングで販売されている分が8月ごろまで出荷されるので、日本の店頭に並ぶのは秋〜冬あたりでしょうか。果たしてこの予想価格があっているのか、楽しみに待ちたいと思います。
スペックおさらい
- 外寸:36cm × 23/28cm × 56cm
- 内寸:35cm × 22/27cm × 51cm
※「/」前後は拡張前後の値 - 容量:34L / 39L
- 重量:3.9kg
- 素材
- ハンドル:3K カーボンファイバー
- シェル:70%リサイクルポリカーボネート
- ハンドル周り:アルミ
- 表面:100%リサイクル 耐候性ナイロン
- カラー:ブラック、エクリプス(赤)、セージ(緑)
※Kickstarterでは、購入後に送られてくるアンケートで色を決定できる模様です - 価格:通常価格599.95ドル(約9万円)
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