【レビュー】iPhone Xを一週間使ってみて

iPhone Xを一週間使ってみて

 11月3日の金曜日にiPhone Xを受け取って早くも1週間が経ったので使い勝手についてのレビューです。結論から言うと、デザインも性能も良く、所有する喜びがあり、さらにこれからの進化を体験する楽しみもあるスマホだと思います。
 デザインやディスプレイ、FaceIDの使い勝手などについて、使ってみた感想は次の通りです。

デザイン

 iPhone Xとの目玉といえば、ディスプレイがほぼ全て有機ELになったことですよね。また、画面サイズこそ歴代iPhoneで最大の5.8インチですがが、ベゼルレスデザインのおかげで小型のiPhone(iPhone7やiPhone8)とほぼ同じサイズになったので、胸ポケットにも余裕で入るようになったのが地味にうれしいです。またPlusのサイズだと、ズボンのポケットに入れているとポケットが膨れ上がって邪魔だし、ズボンを痛めてしまっていたのですが、そういう心配も減少しました。

 側面は磨かれたステンレスで囲われていて高級感があります。AppleWatchがデザインのもとになったという記事も見かけたましたが、僕はまずiPhone3GSを思い出しました。

X3gs1 X3gs3

 iPhone3GSは初めて日本で販売された機種ですが、並べてみると似ていないでしょうか。もともとAppleが考える携帯デザインというのは、iPhone Xのように隅々までディスプレイが覆い、側面は金属で囲むというのが基本なんだと思っています。背面は加工しやすく電波を通しやすいプラスチックから、高級感と傷に強いアルミになり、そして今の世代でワイヤレス充電のためにガラスになるなど、時代の要請で変化しているのでしょう。

 

ディスプレイ

 昨年出るかもと噂されていた有機ELディスプレイ搭載iPhoneがついに発売となりました。有機EL自体はもう何年も前から他社の携帯電話やスマホに搭載されていましたが、有機ELテレビでも世代が進むごとに暗部表現が良くなったように、ようやくAppleの基準を満たした性能になったから発売開始したのだとも思います(Apple贔屓な考えかもですが)。
 液晶と違って自発光ディスプレイということで、黒がグレーっぽく表示(黒浮き)することがなく、真っ黒に沈み込むのでコントラストが高まっていること、ディスプレイの色と明るさを環境光センサによって自動的に適応させるTrue Toneによって他社有機ELスマホのような高い色温度(高いほど青っぽい)にならないので心地よく使えています(ただ、狙っている色温度が若干低めなような気もします)。
 有機ELには上記の利点や薄く消費電力が少ないといった利点があるのですが、ディスプレイ自体の性能なのか、開封直後に貼った保護フィルムのせいなのかは不明ですが、思ったよりディスプレイを見る角度によって色が変化します。これについてはAppleにも以下のように記載されています。

OLEDディスプレイを見る角度を変えると、色味や色合いが若干変化するのに気付くかもしれません。これは、OLED の特性で、問題ではありません。長期的に使っているうちに、見え方に若干の変化が見られる場合もあります。これもまた予想されることで、「残像」や「焼き付き」など、画面に新しい画像が表示された後も前の画像がかすかに残って映るといった現象も、起きるようになる場合があります。極端な例になると、高コントラストの同じ画像が長い時間表示され続けることもあります。Super Retina ディスプレイの開発にあたっては、こうした OLED の「焼き付き」現象の低減という点でも、業界最高を目指しました。
iPhone X の Super Retina ディスプレイについて

 こういった記載が発表されているとなると、色が変化するのは今回使用されているディスプレイの構造上どうしようもなさそうなので、残念ですが受け入れるしかなさそうです。有機ELディスプレイは視野角が広いのが特徴ですが、現状では液晶ディスプレイ搭載機の方が色の変化も含めた視野角は広そうです。
 

Face ID

 Touch ID(指紋認証)に変わって搭載された生体認証技術のFace ID。もともと全画面ディスプレイによって搭載できなくなったTouch IDの代わりにいかにしてセキュリティーを保つかという時に、昔買収していた技術を使用したものらしいです。
 指を出すことなく顔を向けるだけで認証が完了するので、例えば手袋をしている時や指が濡れている時でも認証ができるのは非常に便利です。その反面、瞳の虹彩認証ではなく目・鼻・口の3点が隠れていないことが認証する条件のようであり、通勤中は電車内で常にマスクをしているような僕はマスクを少しずらすか、パスコードを入力しなければならないので不便さもあります。マスクをしていても機械学習で本人と認識されれば最高に便利なのですが、一週間マスクを付けながら使っている感じだと学習されることはなさそうです。また、横たわってスマホを操作する場合、顔が枕などに押されて歪んでいるのか未だに顔認証が通ったことが無いことや、Face IDが作動する角度が狭いことなどが不便でした。
 僕としては、今回搭載されたFace IDと、ソニーのスマホにあるような電源ボタン兼指紋認証の両方が搭載されているのが最高の形でした。もちろん一時期うわさされていた、指紋認証内蔵ディスプレイも使い勝手が良いと思います。
 

処理性能

 直前まで使っていた機種がiPhone6なので当然といえば当然ですが、処理性能が大幅に向上したのでかなり快適になりました。例えば、bluetoothで音楽を飛ばしながら重たいサイトを開いたり他の少し重めのアプリを開くと音飛びする。インスタグラムで動画や写真を投稿しようとしている最中にアプリが落ちる…といったことが無くなりました。
 もっとも、iPhone XでなくてもiPhone 8シリーズも同様の性能ですし、おそらくiPhone 7シリーズでも十分快適だったとは思います…
 また、高い性能と防水性能の影響からかCPUの熱がこもる感じです。ネットを見ているぐらいだと大丈夫そうですが、ゲームのような連続して負荷がかかるアプリを開いているとカメラの周りが熱くなってきます。冷え性の僕にはありがたい機能なのですが、もうすぐケースも届きますので、ケースを装着すると熱もこもりやすくなるので夏場に影響が出ないかが心配です。
 

カメラ

 iPhone Xは2つのカメラを搭載していて、広角と望遠(というか標準レンズの焦点距離)の両方とも光学式手ぶれ補正が搭載されています。またiPhone 8以降カメラセンサーのカラーフィルターが新しくなっていて、色の深みが出ている感じがします。
 また、iPhone 7 plusから始まった、背景をぼかすポートレートモードも正式版となりました。


201711aalto1

※縮小のみ

201711aalto2
※縮小のみ

 このモードを使えばこんな写真が手軽に撮れるようになりました。よく見れば犬の輪郭と背景の境目に処理ミスが出ていたりもしますが、ぱっと見で十分綺麗ですし、他のカメラを持ち歩く手間を考えればこれで十分な気がします。
 ただ、コンパクトカメラは安く、性能も上がっていますので、カメラのためにiPhone 8やiPhone Xに機種変するのは勿体無い気もします。せっかくなので手持ちのSony RX-100Ⅲとの比較もしてみます。慌てていたのでソニーの方はF7.1固定の設定のままで撮影してしまった上に露出補正が+1/3かかっていて、若干ぶれと明るさが違いますが、iPhone Xが十分な性能を持っていると思います。
 もちろん大切な一枚であるとか、暗い場所、速い被写体などではiPhoneでは心もとないですが、もしかしたらそれも杞憂かもしれないので、時間がある時にどこまで撮れるか試してみたいです。


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iPhone Xで撮影

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Sony RX-100Ⅲで撮影。

Apple Pay

 iPhone 7からNFCが搭載されたことで日本でもクレジットカードやSuicaがApple Payとして使用できるようになりましたが、残念ながら僕はJRではなく地下鉄のpasmoユーザーなので現時点ではあまりメリットがありません。
 ただ、iPhone 8から日本と日本以外のNFC機能が同一になり、海外に行った時でも日本のクレジットカードを登録したApple Payで支払いが可能になったようなので、次回海外旅行に行った時にさっと支払うのが楽しみです。
 ※iPhone8、iPhoneXは海外で購入した端末も日本のSuicaを登録できるようなので、外国人の方が訪日した際の利便性も向上しそうです。
 

ワイヤレス充電

 Qi規格のワイヤレス充電が搭載され、置くだけで充電が可能になりました。が、現在は5Wまでの給電しか対応しておらず、年内に予定されているアップデートで高速充電が可能になるようです。Apple Storeで販売されている商品には「年内に7.5wの高速充電が可能になる予定」と記載されていますが、すでに他社スマホでは10w給電まで対応できますし、規格自体は15wまでの給電が出来るよう制定されています。
 なので、ワイヤレス充電機を買うにしてもAppleのアップデートを待ってから購入するのが良いと判断しています。もっともただ置くだけの充電器であれば1000円台で出ていますので、とりあえずそれを買って試すのも全然ありですね。

その他

 ホームボタンが無くなってしまいましたが、代わりに搭載された様々なジェスチャー操作が便利すぎます。例えば、他のアプリに切り替えたいときは今までホームボタンをダブルクリックして、スワイプして目的のアプリを探す。という操作でしたが、これからは画面下の横棒のような場所をスワイプするだけで切り替えが出来ますし、下から上に持ち上げたままにすると起動しているアプリ一覧が表示されるのでそこから選んでも良いです。文字にすると何やら面倒ですが、実際の操作は快適で以前には戻れなくなった感じがします。
 また、画面上部の切り欠き(凹)についても、通常使っている分には気になりません。気になるとすると動画でしょうが、指置き場として使用すればいいかなと考えています。

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