初代はやぶさと違って完璧な運行で、地球近傍小惑星「リュウグウ」に着地し、小惑星の試料サンプルが入ったカプセルを地球へと届けた「はやぶさ2」。
もしかしたら「はやぶさ2」本体も地球の大気に捕らわれて燃え尽きるかも。なんて予測もありましたが、無事にカプセルだけが予定されていたスケジュール通りオーストラリアのウーメラに戻ってきました。
ぷくおもJAXAが行なったYouTubeライブを見ていたのですが、あまりに予定通りすぎてびっくり。そして肝心のカプセル再突入ですが、誤解を恐れずに言えば探査機本体も大気に再突入し、華々しく散った初代に比べてあっさりしたもの。
最初にLIVE中継で流れていた魚眼レンズを使用した映像では宇宙ステーション?と思うような明るい輝点が右から左にスーッと流れていくだけ。
で、そのあと紹介された望遠レンズの映像では綺麗な尾が見えてちょっと感動してしまいました。
再突入カプセルの火球映像はこちら(JAXAへ飛びます)
映像では確認できないものの、再突入後に無事にパラシュートが開き、予定区域に着地した模様。というのがカプセルから発信された電波により判明。続いて今後の計画などについて説明が行われライブ中継終了となりました。
今日昼に流れていたニュースで、無事に回収できたカプセルの写真などが報じられており、早ければ3日後にも日本に到着するんだとか。どれだけの試料が採取できたのか。どんな発見がこれから待っているのかも楽しみです。
拡張ミッション
で、はやぶさ2本体はイオンエンジンの燃料が約半分程度残っていることから、新たなミッションに向かうことに。
残燃料とエンジンの設計寿命を考慮すると到達可能な天体が354個に絞り込まれ、さらに天体到達に必要な軌道制御量や、対象天体の軌道確定度、探査機運用の成立性など工学的な観点と、対象天体の大きさや自転速度、タイプなど、理学的興味の観点からランク付けを行って精査した結果、2天体まで絞り込まれることに。
どちらの小惑星も直径数10m、自転周期10分という非常に早い自転速度で、未だかつて人類が到達したことのない特徴の天体。リュウグウとの比較観測が出来るというのも高ポイント。
このうち、「1998KY26」に向かう場合は2026年に別の小惑星「2001 CC21」を接近・観測できる他、小惑星のタイプがリュウグウと同じC型小惑星の可能性があり、はやぶさ2の観測装置を最大限に活動できるということがポイントとなり、新しい小惑星「1998KY26」に向かうことが決定。
新しい小惑星を目指す意義は次の3つ。
1. 太陽系長期航行技術の進展
2. 高速自転小型小惑星探査の実現
3. Planetary Defenseに資する科学と技術の獲得
3つ目のPlanetary Defenseですが、地球に衝突し大災害を引き起こすと推定されている小惑星はまさに1998KY26のような大きさ数10m級のもの。これを調査することで災害を防ぐ活動に資する技術や知見を獲得するそうです。
新たな目標への到着予定は11年後。無事に到着する頃にはぷくおもアラフォーからオーバーフィフティーになってしまうというあたりに宇宙研究の時間スパンの長さを思い知らされますね。
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