JALグループが、2023年4月12日以降に搭乗する国内線運賃を全面リニューアルすることが発表されました。
運賃リニューアル
現行国内線運賃は、誰が買っているのか分からない「普通運賃」を基準に、「特便」、「先得」など9種類の運賃がありました。こちらを、「フレックス」、「セイバー」、「スペシャルセイバー」という3種類に統合。また、クラスJとファーストクラス運賃の設定方法が変更されます。
運賃ラインナップ
国内線運賃が3種類に統合。馴染みのあった「特割」や「先得割引」という名称が無くなるので、個人的にはこれらの名称を生かしたまま統廃合すればよかったのに。とも思わなくもないですが、とにかく「フレックス」「セイバー」「スペシャルセイバー」に統合されます。
新料金体系はどれも混雑状況によって価格が変動。また、搭乗日までの日数によって購入できる運賃が変わってくるのは今まで通りですね。この辺りは3種類に絞られたことで分かりやすくなったように思います。
クラスJとファーストクラス運賃
今までは普通席に1,000円を追加するとクラスJ席に。8,000円を追加するとファーストクラス席にアップグレードが可能となっていましたが、来年4月以降は普通席、クラスJ席、ファーストクラスのそれぞれに「フレックス」「セイバー」「スペシャルセイバー」の料金が設定されることに。
現行料金に比べて極端に高くなることはないと信じていますが、プレスリリースでは「路線ごとに距離などに応じて異なるようになります。」と記載されているので、長距離路線では多少の価格上昇が想定されます。
往復割引の対象運賃が拡大
これまで、往復割引は「大人普通運賃」を利用されるときのみ適用されていて、「特割」や「先得割引」では往復しても割引設定がありませんでした。これが新運賃ではどの料金クラスでも5%の割引となります。
往路と復路で「フレックス」、「セイバー」、「スペシャルセイバー」のどの運賃の組み合わせでも往復割引が適用されるのは嬉しいですね。なお、どの組み合わせの場合も往復割引適用後の運賃は「往復セイバー」(予約変更不可)となります。
新旧運賃で、例えば40日前に往復予約したときにきちんと新運賃の方が安くなるのか。微妙に高くなるのかが気になりますが、そこまで気にする人も少なそうですね。また、往復セイバーになると予約変更不可となるので、仕事などで時間が読めない時はフレックスを2路線購入するしかないのは要注意ですね。
小児・障がい者・介護帰省割引の対象運賃拡大
今まで、小児・障がい者・介護帰省割引は高額な「大人普通運賃」に対する割引となっていたため、場合によっては大人の先得運賃の方が安いといった逆転現象も発生していました。
今後は「フレックス」「セイバー」「スペシャルセイバー」「往復セイバー」の価格からそれぞれ次の率を割引する方式に変更されます。年末年始などの繁忙期に普通運賃で家族で旅行されていた方には25%の値上げとなってしまうのは痛いところですね。
割引率
- 小児割引:対象運賃より25%割引
- 障がい者割引:対象運賃より20%割引
- 介護帰省割引:対象運賃より10%割引
※いずれも税抜運賃額からの割引率です。
ちょっと嬉しい乗り継ぎ運賃の導入
海外フライトの際は、国内路線+海外路線で合わせて割安に購入できるのに対し、国内路線を乗り継ぎする場合(例えば羽田→沖縄→石垣島)はそれぞれの区間の運賃を合算されていましたが、新運賃では出発ちから最終目的地を通しで購入すればお得になるそうです。直行便のない場所へのフライトも予約しやすくなるいい改良ですね。
マイル関連
特典航空券PLUSの導入
国際線に導入済の「特典航空券PLUS」を国内線にも導入します。現在は「特典航空券」または「いつでも特典航空券」の2種類のマイル数設定となっていますが、新しい「特典航空券PLUS」では、混雑状況に応じてマイル数が細かく変動し、さらに使いやすくなります。
特典航空券が変更不可に!
今まで無料で行えた国内線特典航空券の変更。変更希望便出発日の前日まで、かつ元のご予約便の出発時間前まで可能だったのですが、、、
2023年4月12日搭乗分以降、予約残席に応じて必要マイル数が変動することに伴い、Web・JMB会員専用国内線予約ともに予約変更が不可となります。
なので予約変更を行いたいときは、毎回1名様・1特典につき3,100円の払い戻し手数料を支払って払い戻しをして、新たに取り直す必要が生じる模様。
気軽に特典航空券の予約ができなくなるデメリットがありますが、予約可能な330日後の予定が見通せる方にとっては、今までよりは特典航空券が予約しやすくなりそうにも思えます。
おともdeマイル割引の廃止
JALマイレージバンク会員が貯めたマイルで航空券を予約し、友達や家族が同行者となることで一人当たり15,200円〜36,600円で搭乗できた「おともdeマイル割引」。
残念ながら、今回の運賃制度変更に伴い2023年4月11日搭乗分をもって廃止となりました。
感想
あってないような普通運賃と、多種ある運賃区分でどれがお得か分かりにくかった体系が、3区分に分かれた今回の改正。
普通運賃以外でも往復割引対象となったり、子供や障害者・介護規制の割引となることや、乗り継ぎ運賃が導入されるなど、全体的には嬉しい快晴になったのではないかと思いました。
特典航空券の予約変更ができなくなったのは痛い方も多そうですが、そもそも割引運賃(今後であればフレックス以外)は予約変更不可で、一度取消ししなければいけないことを考えると残念ではありますが致し方ないレベルかなと思います。
330日前の午前9時半に解放される特典航空券の予約申し込みが、繁忙期の人気路線では最初から全必要事項を記入し終える前に予約枠が埋まってしまうという問題に対し、他の日程で予約を抑えておいて、旅行本命日の330日前午前9時半に仮押さえしていた予約を3ステップで変更するという裏技があったのですが、今後はそれが使えなくなります(ぷくおはやったことありませんが…)。
今後は純粋に予約画面の入力スピード勝負になるのだと思うと、ちょっと公平に(だけど不慣れな方には厳しい)なったとも言えますね。
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