9年の時を経て、SONYからフルサイズセンサー搭載レンズ一体型デジタルカメラ「RX1R III」が発売

ここ数年盛り上がっているレンズ一体型のデジタルカメラ。筆頭はLeicaのQ3シリーズでしょうが、日本からも富士フイルムのX100VIやX half、さらに中版サイズセンサーで1億200万画素というモンスターセンサーを積んだGFX100RFが登場しています。

そんな中で冴えなかったのがソニー。レンズ交換式のミラーレス一眼は多数出ているのに、レンズ一体型となると1インチセンサーを搭載したデジカメはRX100VIIが2019年。高速AFと超望遠のRX10IVは2017年。そしてフルサイズセンサーを搭載したRX1RIIに至っては2016年2月と、それぞれ発売されてからアップデートが無い状況が続いていました。

ぷくおも、日々大きくなっていく子供の成長を残すのにきれいに撮れるカメラを使いたい。けど散歩にミラーレス一眼+ちょっといいレンズというのは力が入っている感が強くて、結局スマホ頼みになりがち。そういうわけで、できればQ3 43がほしいなんて思っていたのでした。

ついにRX1R IIIが登場

そしてついにソニーからRX1R IIIが2025年8月8日に発売というリリースが出ました!

価格はオープンプライスですが市場想定価格は66万円前後。これは、前作RX1R IIが初値41.6万円だったのに対してかなり値上げとなっていますが、昨今のインフレからすると仕方ないのでしょうか…

ちょっと辛い話から入ってしまいましたが、気を取り直して特徴を見ていきたいと思います。

特徴

今回登場したRX1R IIIは、前作から約9年ぶりのモデルチェンジ。長らく沈黙していたRXシリーズが、ついにフルモデルチェンジを果たしたわけですが、進化の内容は実に魅力的です。

センサー&AF回り

まず、最大の特徴はやはりレンズ一体型ながらフルサイズセンサーを搭載していること。しかも、センサーはソニー自社製の有効約6100万画素 裏面照射型CMOSセンサー(Exmor R)で、BIONZ XRとの組み合わせにより高速処理と高画質を両立しています。これはα7R Vなどに採用されているセンサーと同等クラス。

最高感度は常用ISO 32000、拡張ISO 102400と、さすがソニーと言える特性を持っています。

また、AF回りもAIプロセッシングユニットを搭載することで顔が見えないシーンなどでも正確にトラッキングをすることや、多くの人が行き交う街頭のシーンで狙った被写体を認識・追尾し続けることも可能になるなど、大きく進化を遂げています。

Leica Q3などでもおなじみのステップクロップも搭載していて、35mm(約6100万画素)/50mm相当(約2900万画素)/70mm相当(約1500万画素)の画角をワンタッチで切り替えて撮影なのも便利。

レンズ

レンズはお馴染みのZEISS Sonnar T* 35mm F2のまま。光学性能の高さから据え置きとなりましたが、新たにマクロモードが搭載され、最短撮影距離が0.2m(マクロ時)に短縮。これまでよりもグッと寄って撮ることが可能になりました。

EVF&モニター

もう一つの注目ポイントがEVF(電子ビューファインダー)の進化。前モデルではポップアップ式だったファインダーは、RX1R IIIでは内蔵式の約236万ドット高精細XGA OLEDに変更。α7R V相当の高精細なファインダーで、撮影体験が大きく変わります。

背面モニターはチルト式になり、ローアングルやハイアングルでの撮影がしやすくなりました。タッチ操作にも対応しており、ユーザーインターフェースも現代的に進化。

サイズ

また、本体サイズは前作からわずかに小型化(約113.3 x 67.9 x 87.5 mm、約113.3 x 67.9 x 74.5 mm(レンズ先端からモニターまで))。重さも約498g(バッテリー・メモリー込み)と、フルサイズ+高画質機であることを考えれば十分に軽量。これなら散歩カメラとしても無理なく持ち出せる印象です。

その他

今や動画性能も重要なポイント。RX1R IIIでは4K 4:2:2 10bit 30pでの撮影が可能で、S-CinetoneやS-Log3にも対応。写真だけでなく、Vlogや作品撮りにも十分耐えうるスペックとなっています。

また、USB-C(USB3.2 Gen2)ポートの搭載でデータ転送も高速化。Wi-FiやBluetoothによる接続も当然対応し、現代のワークフローにもマッチ。

記録媒体としてはSD(UHS-I/II対応)カードというのがちょっと意外ですが、それほど高速連射しないのであれば、安価だしカードリーダーの対応も考えると正解なのかもしれません。

まとめ

冒頭でも触れましたが、予想価格は66万円前後と決して安くはありません。Leica Q3が82.5万円(2024年7月時点)であることを考えればライバル機としての存在感は十分ありますが、ユーザーによっては「Q3より割安」と取るか、「さすがに高い」と感じるかは意見が分かれそう。

ただ、画質・操作性・AF性能・マクロ・動画対応と、RX1シリーズの良さをそのままに、“持ち歩けるプロ機”としてしっかりアップデートされた1台であることは間違いありません。

ぷくお的には、66万円出すなら憧れのライカに手を伸ばしてみたい!と思うものの、冷静に考えて+40万円が必要。気持ち的にはRX1が2台分となると66万円も安いのかも!?

子供との日常を高画質で、そして軽快に残す相棒として、(絶対的には高価だけど)Q3よりもRX1のほうが理想的な1台かもしれません。

発売は2025年8月8日。Q3を狙っていた人も、X100VIに手が出なかった人も、このRX1R IIIは要チェックの1台となりそうです!

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