IFA 2025でEufyが革新的AI監視カメラを発表!ローカルAI「AI Core」で家庭のセキュリティが激変する

9月5日から9日の間、ドイツ・ベルリンで開催されていたIFA 2025(国際コンシューマ・エレクトロニクス展)においてAnker社のスマートホームブランド「eufy」が、大量の新製品を発表しました。

日本では「階段を上り下りできるロボット掃除機」が大きな話題になりましたが、個人的に最も注目したのは、ローカルAIを搭載した革新的な監視カメラ群です。特に「AI Core」という新プラットフォームは、家庭用セキュリティの常識を変える可能性を秘めていると思ったのでご紹介です。

家庭用セキュリティに革命をもたらす「eufy AI Core」

今回発表されたeufy AI Coreは、単なる監視カメラの付属品ではありません。家庭全体のスマートホーム監視を担う大型AIエージェントとして設計された、まさに次世代のセキュリティプラットフォーム。

AIを搭載するメリットとは

従来の監視カメラは「動いたら録画」「人が映ったら通知」といった単純な仕組みでした。しかし、これでは以下のような問題がありました:

  • 誤検知の多さ:猫や風で揺れる洗濯物にも反応してしまう
  • 録画の取りこぼし:異常行動の初期段階を見逃してしまう
  • 状況判断の甘さ:「何をしようとしているか」まで理解できない
  • 継続的な監視の欠如:同一人物の複数回訪問を関連付けられない

AI Coreはこれらの課題を一気に解決します。95%の高精度で不審者や異常を判別し、誤検知を大幅に減少させることができるのだそう。

AI Coreの驚くべき状況認識能力

AI Coreが認識できる状況は100以上に及びます。具体的には:

  • 異常行動の初期段階からの録画:従来苦手だった「何かをしようとしている瞬間」から記録開始
  • 人の動きや意図の解析:手にした物体や取ろうとした動作まで識別
  • 継続的な不審者特定:下見に来ている人物を複数回の訪問で関連付け
  • 3秒以内の超高速対応:異常検知からプッシュ通知、音声アラート、照明制御、必要時の警察自動通報まで段階的に実行

さらに、すべての処理が端末内(オンデバイス)で行われるため、プライバシー保護と応答速度を両立しているのも大きな魅力です。

同時発表された次世代監視カメラ群

AI Coreと連携する新型カメラも同時に発表されました。

eufyCam S4:常時監視を実現する革新的カメラ

最も注目すべきは「eufyCam S4」です。このカメラの革新的な点は、デュアルレンズ構成にあります。

  • 常時広角監視:4K画質の高解像度広角カメラで家全体を24時間モニタリング
  • 異常時のズーム追跡:動きや異常が検知されると2K解像度のズームカメラが自動作動
  • 360度自動追跡AI:全方向パン・チルト動作で動く被写体を見逃さず追跡
  • 強化スポットライト:4つの高輝度LEDで夜間もフルカラー録画を実現

これまでのソーラーバッテリーモデルでは「人が近くに来て初めて録画開始」という不安がありましたが、S4なら常時広角カメラで監視しながら、必要時にズームで詳細記録する仕組みで、24時間録画に近い安心感を得られます(バッテリー駆動(ソーラー発電で充電)のモデルは、電力の問題でどうしても「何か検知してから録画開始」というプロセスだったため、肝心の「何か」が映っていないことがありました)。

アメリカでは2025年11月頃発売予定で、価格は約299ドル(約4.2万円相当)とされています。

eufy 4G LTE Cam S330:Wi-Fi不要の遠隔地対応モデル

もう一つの注目製品が「4G LTE Cam S330」です。日本では2025年冬頃の発売予定で、価格は約3万9990円(税込)と発表されています。

  • 4G LTE通信対応:Wi-Fi圏外でも設置可能
  • ソーラーパネル内蔵:配線不要で長時間稼働
  • 4K高画質+AI顔認識:見慣れた来訪者と未登録者を自動区別
  • サブスク不要:ローカル録画でランニングコスト削減

他社監視カメラとAI活用状況の比較

現在、AI機能を搭載した家庭用監視カメラは複数のメーカーから発売されていますが、サブスクリプション形式を採用しているものも多く、長年にわたって利用するカメラですと費用負担が大きい気がします。

サブスク不要・必要なものをいくつか調査してみましたのでご紹介です。

サブスクリプション不要で使える主要ブランド

Reolinkは完全にサブスクリプション不要で、人・車両・ペット検知などのAI機能をオンデバイスで処理できます。ただし、日本市場では最新のAI対応モデルの正規販売が限定的なのが現状です。

TP-Link Tapoも基本的なAI機能(人検知、動作ゾーン設定)をサブスク不要で提供していますが、機能の高度さはEufyに及びません。

有料サブスクが必要な高機能ブランド

Google NestArloは優れたAI機能を持っていますが、フル活用には月額料金が必要になります。

Google Nestであれば月額1,000円または2,000円のプランが用意されていて、それぞれ年額プランだと10,000円または20,000円かかりますが、基本的には動画保存のクラウドサービス的な面が強く、AI活用という面ではまだまだこれからといった感じです。

Arloは月額1,549円(または年間15,492円)のプランであれば、スマート動作検知として人物や荷物、乗り物の認識・検知ができるほか、カメラが認識した内容を文字で短く正確に要約してくれる機能などもあるようです。

AI Coreの圧倒的優位性

AI機能と性能を総合的に比較すると、現状ではeufyのAI Coreが他社を大きく上回っています。

技術面での差別化ポイント

  • 統合AIプラットフォーム:複数カメラの情報を統合した高度な推論処理
  • 100以上の状況認識:他社の基本的な物体検知を大きく超える認識能力
  • 3秒以内の超高速応答:検知から対応までの圧倒的なスピード
  • 95%の高精度:誤検知を劇的に削減する先進AI技術

Reolinkが基本的なAI機能を低コストで提供するのに対し、eufyのAI Coreは家庭用セキュリティAIとして最先端レベルに到達していると言えるでしょう。

価格とのバランス

AI Coreの価格は米国で約499ドル(約7万円相当)と予想されており、決して安くはありません。しかし、月額サブスクリプション不要でこれだけ高度なAI機能を利用できることを考えると、長期的にはコストパフォーマンスに優れた選択肢と考えられます。

おそらくGoogle NestもさらにAIを活用した機能を実装してきそうですが、AI Coreの「ローカルで処理可能」というのは回線が落ちたときのことなどを考えるとメリットかなと思います(もちろん、クラウドであればローカルドライブのエラーを心配しないで済みますが)。

まとめ:家庭用セキュリティの新時代到来

IFA 2025でのeufy新製品発表は、家庭用セキュリティの新時代の幕開けを告げるものでした。特にAI CoreとeufyCam S4の組み合わせは、従来の「録画して終わり」から「理解して対応する」セキュリティシステムへの進化を示しています。

日本の住宅はアメリカに比べて小さいですが、治安への不安が高まる中、AI Coreのような精度の高いリアルタイム監視システムは非常に魅力的です。現行のS3 Proも20%オフなどのセールが実施されていますが、新製品の日本発売時期を見極めるのが賢明かと思います。

とりあえず、私としてはAI Coreの詳細を見て、現行モデルのS3 Proというカメラが利用可能であれば、安くなってきた同カメラとホームステーションを先行して導入。そしてしばらくたってからAI Coreを導入かな。なんて思っています。

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